2月14日、日銀は金融政策決定会合で、「物価安定の目途」として1%の消費者物価上昇率を示しました。
これは、事実上のインフレ目標ともいえるで、遅すぎた感はありますが、従来の日銀の姿勢からすると評価できるものです。
ただし、今回の日銀の発表では、「目標」ではなく、「目途」という表現を使っています。
一般に、インフレ目標は、FRBのように達成時期を明確にするものですし、イングランド銀行のように達成できなかった場合の措置も定めるものですが、日銀はこうした内容を盛り込んでいません。
つまり、目標を達成できなかった場合の責任が明らかになっていないので、日銀の“本気度”に疑問を抱かざるを得ないものです。
「何もしない日銀」との批判を回避するためのパフォーマンスとも取れます。
しかしながら、今回の日銀の発表を受けて、外国為替市場で、円売りドル買いが進み一時は1ドル78円を超えました。
また、ユーロに対しても103円台まで円安が進んでいます。
今後、実際に日銀が徹底した金融政策を断行すれば、さらに為替相場に影響を与え、次は株式市場へも影響を及ぼすと考えられます。
日本では、東日本大震災からの復興、原発事故への対応、失業率の上昇などの課題があり、海外では、ギリシャ債務危機など、内外の経済情勢が厳しさをます中で、日銀がデフレ脱却に本気かどうか、引き続きウォッチしていく必要があります。