12月28日、平壌で金正日総書記の国葬が行われました。
今後の北朝鮮情勢については、日本政府をはじめ、中国、韓国、そして米国も「現状維持」でほぼ一致しています。
確かに、朝鮮半島の安定は重要ですが、一方で、北朝鮮によって拉致されたままの被害者や、その他大勢の北朝鮮の収容所にいる人々にとっては、「現状維持=地獄の安定」を意味するものです。
同じく28日に、東京で「金正日の犠牲者に思いを寄せる12/28東京集会」(参加団体:北朝鮮による拉致被害者家族連絡会など6団体)が開かれました(※1)。
この集会は、「28日が金正日を追悼する日であってはならず、金正日による犠牲者に思いを寄せる日であるべき」との考えで開催されたものです。
幸福実現党のやない筆勝党出版局長(※2)によると、この集会では、普段から日本のマスコミが一切報じない、北朝鮮国内での強制収容所や虐殺や虐待など、金正日・独裁体制の人権侵害の実態が次々と報告されたとのことです。
例えば、「強制収容所にはこれまで100万もの人が収容され、その多くが死んで行った。現在も20万人が収容されている。300万人が餓死し、合計700万人の自国民が殺された。」、「北朝鮮では、独裁政権打倒に立ち上がった若者たちもいたが、そうした若者は家族全員が連座制で収容所に入れられた。
その結果、そうした動きは完全に封じられてしまった。」などといった内容です。
日本のマスコミの多くも、北朝鮮については、後継者の動向や、権力継承の分析に終始しがちであり、金正日総書記がこれまで犯してきた悪事に焦点を当てる報道が少ないように思います。
ですから、日本国民の中には、北朝鮮は奇異に映ったとしても、金正日総書記の死を、普通の国家元首の死と同じように考えてしまう向きもあるのではないでしょうか。
しかし、金正日総書記は、虐殺、虐待、拉致など、国内外ですさまじい犯罪行為を重ねてきたという事実があるのです。
野田首相には、拉致問題を本気で解決したいという気概は感じられませんが、今、政治家に求められるのは、北朝鮮の悪事を糾弾し、その上で正義を実現しようとする意思と言葉です。
私たち幸福実現党は、日本国憲法の前文に謳われた「平和を愛する諸国民」とは言いがたい北朝鮮や中国に対しては、憲法解釈を変更し、第9条の適用対象外とすべきであると考えています。
拉致問題の背景には、北朝鮮の悪事を許し、その被害者の救出がままならないという、日本の主権意識の欠如と正義感の欠陥があります。
日本は、国家としての主権意識と、主権を侵す悪に対しては交戦権も辞さないという、国家としての当たり前の気概を回復する必要があります。
※1:http://www.sukuukai.jp/mailnews.php?itemid=2860
※2:http://www.hr-party.jp/new/2011/17650.html