9月
08

2011/09/08 【菅前首相は大震災を引き寄せましたが、野田新首相は大不況を引き寄せる危険性が見えてきました】

「円高」が続いています。

最近では「超円高」という言葉が新聞紙面で踊っており、各メディアは円高のマイナス面をことさら強調しています。

確かに、短期間での急激な円の高騰は、輸出産業を中心にマイナスの影響を及ぼしますが、長い目で見ると円高は必ずしもマイナスではありません。

そもそも日本が「輸出立国である」というのは思い込みに過ぎません。

日本のGDPにおける輸出額の割合を示す輸出依存度は約16%です(2008年)。

ちなみに、ドイツは40%、中国は36%、韓国は45%などとなっていますので、これらに国々と比べても日本の輸出依存度の低さがわかると思います。

こうした中、民主党政権は、円高を阻止すべく右往左往している状況ですが、

9月4日、大川隆法幸福実現党名誉総裁は講演で、「デフレ経済の中で増税すれば、消費が冷え込み、不況が深刻化し、倒産する会社が多発する。これは完全に間違った経済政策である。今やるべきことはその反対で、内需主導型で経済を大きくしなければいけない。円に信用があるということは、政府が変なことをしなければ国民の資産が増えていることを意味する。国民や外国から借り入れを起こし、将来収入を生むものに、積極的かつ大胆に投資すべき。」と円高に際し日本が取るべき方策を示しました。

今の円高は、不安定な世界経済の状況を受けて、消去法で買われているだけだとする見方がありますが、それでも相対的に円が強いという事実に変わりがありません。

日銀が今回の円高阻止のために為替介入として注ぎ込んだ額は計7.6兆円と言われています。

つまり、これは、価値の高い円を売って、価値の低いドルを買ったとみることができます。

まるで「金貨を銀貨と取り替える」ような実体経済ではありえない愚行であったといえます。

増税をする前に、この資金を震災復興などの投資に回せば内需の拡大をもたらせたはずです。

日本企業による海外企業のM&Aが、今年1~8月の累計で既に昨年1年間の合計を上回ったという記事(9月6日付産経新聞)もあるように、急激な円高が日本経済にダメージを与えるという報道が多い中で、日本の強さは健在です

「円安→輸出増→経済成長」といった「途上国モデル」が、もはや日本には当てはまらなくなってきている現実を野田政権は知るべきであり、新たな成長戦略を描く必要があります。

円高を利用して内需拡大をすべきときなのに・・・。

菅前首相は大震災を引き寄せましたが、野田新首相は大不況を引き寄せる危険性が見えてきました。