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2011/08/13 【エジプトで密輸武器氾濫 治安機関に緩み 治安悪化、イスラム過激派活発化も懸念】

【エジプトで密輸武器氾濫 治安機関に緩み 治安悪化、イスラム過激派活発化も懸念】2011年8月10日 産経より

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110810/mds11081021560003-n1.htm

2月のムバラク前政権崩壊後、政情不安が続くエジプトで、周辺国から密輸されたとみられる銃器が大量に出回り始めている。治安悪化につながっているほか、台頭が懸念されるイスラム過激派勢力の手に渡る危険性も指摘されている。

首都カイロの下町で2日夜、隣り合う街区の住民らが衝突し少なくとも40人が重軽傷を負う事件があった。

発端は路上での商売をめぐるささいなトラブルだったが、双方が銃を持ち出したことで騒ぎが拡大、周辺では約4時間にわたって銃声が響き、警察はほとんど手出しができなかったという。

治安機関が強力な権限を握っていた前政権時代のエジプトでは、銃は厳しく取り締まられ、都市部の一般市民に出回ることはほとんどなかった。

しかし、前政権崩壊で「治安部隊の規律や国境管理が緩み、周辺地域からの密輸が容易になった」(政府系シンクタンクの治安問題専門家)。

特に、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区からは、隣接するエジプト東部シナイ半島に大量の武器が流入。

同半島の主要都市アリーシュでは最近、イスラム系組織の一派とみられるグループが銃などで武装し警察署を襲撃する事件も起きている。

軍や治安機関の目が届きにくいシナイ半島には国際テロ組織アルカーイダ系勢力が潜伏している可能性も取り沙汰されており、そうした勢力が今後、武器を大量入手して活動を活発化させる懸念も拭えない。

また、最高指導者カダフィ大佐側の軍と反体制派の内戦が泥沼化するリビアからも、反体制派の武器がエジプトへ大量に横流しされているとの指摘もある。

カイロでは拳銃1丁が500エジプトポンド(約7500円)程度の安価で出回っているともいわれ、民主化運動に便乗してデモに参加する若者らが持ち歩くことも珍しくない。

引用、以上。

エジプトでは未だに民衆と政府との間の衝突が続いており、情勢安定化がなかなか進みません。

情勢の安定化が進まない理由としては主に2つの原因が考えられます。

1つ目はムバラク政権崩壊後のエジプトでは、これまで強大な権力を握っていた治安機関の活動に制限がかかっているためです。

ムバラク政権の下では体制維持のために権限が与えられていましたが、ムバラク政権後のエジプト政府では民衆にマイナスイメージのある治安組織を利用することができませんでした。

2つ目はシナイ半島のイスラエルとの国境を開放していることが、テロリストや銃器の流入経路となっていることです。

元々、このイスラエルとの国境はテロリスト流入阻止の観点から閉鎖されていましたが、民主化後のエジプトでは国境が解放され、人の出入りが自由な状態となってしまいました。

これら2つの原因によって、エジプトでは情勢が安定しない状態が続いていると推測されます。