【米軍ヘリ撃墜は「タリバンのわなだった」アフガニスタン高官】2011年8月9日 AFPより
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2819125/7615668
アフガニスタンで駐留米軍のチヌークヘリコプターが撃墜され、米軍兵士30人を含む38人が死亡した攻撃について、アフガニスタン政府高官は8日、偽の情報で米軍をおびき出した、旧支配勢力タリバンのわなだったと語った。
匿名を条件にAFPの取材に応じたこの政府高官は、タリバンのカリ・タヒル司令官が、タリバンの会合があると、うその情報を米軍に流し、米軍部隊を現地におびき出したと説明。この作戦には、パキスタン人4人が協力していたという。
「タリバン側は、ヘリがどのルートを飛んでくるかを把握していた。あれが唯一のルートだったので、タリバンは谷を臨む両側の山に陣取り、ヘリがやってくるとロケット弾や現代兵器で攻撃したのだ。ヘリは複数の攻撃をうけて墜落した」(アフガニスタン政府高官)
5日夜に撃墜されたヘリには米海軍特殊部隊SEALSの22人や空軍特殊部隊の3人が乗っており、米軍の精鋭特殊部隊は大きな痛手を負った。
このヘリ撃墜による犠牲者数38人は、2001年に米軍主体のNATO軍がアフガニスタンに進攻して以降、一度に死亡した外国軍兵士の数としては最多。
バラク・オバマ米大統領は、ヘリ撃墜を「今回限り」で二度とないことだと述べ、米国の戦略を変えることはないと言明している。
同高官によると、アフガニスタンのハミド・カルザイ政権はこの攻撃は、5月のウサマ・ビンラディン容疑者殺害に対する報復とみているという。
関連記事→【「われわれは前進し続け、成功する」アフガン戦略でオバマ氏】2011年8月9日 産経より
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110809/amr11080911300003-n1.htm
オバマ米大統領は8日、アフガニスタンで国際治安支援部隊(ISAF)のヘリコプターが墜落し、米兵ら計38人が死亡したことを受けてホワイトハウスで「われわれは前進し続け、成功する」と述べ、米軍がアフガン側へ治安権限を移譲しながら撤退する戦略を着実に履行する決意を強調した。
大統領は「米軍はアフガン政府を強くし、テロリストの避難所にしないための困難な任務を続ける」と述べた上で、兵士やその家族らが払っている犠牲に思いをめぐらせるよう国民に求めた。
これに関連し、パネッタ米国防長官も8日、視察先のフロリダ州で「テロリズムに勝利するという最終目標を達成するまで戦い続ける」とあらためて強調した。