【人民解放軍副総参謀長「日本は危険な方向に」】2011年7月31日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110731-OYT1T00031.htm
今月26日に行われた日中防衛次官級協議で、中国人民解放軍の馬暁天副総参謀長が、南西諸島への陸上自衛隊配備計画や、海上自衛隊による東シナ海での警戒・監視活動の強化方針を問題視し、「日本は危険な方向に向かっている」と批判していたことが分かった。
これに対し、中江公人防衛次官は、「陸自の配備は日本防衛の空白地域をなくす意味がある。特定の国を想定していない」と説明した。
また、「専守防衛という日本の防衛政策の基本方針に変わりはない」と反論した。複数の政府関係者が30日、明らかにした。会談は、防衛省で約4時間行われた。
この中で、馬氏は、陸自配備は中国をけん制するものだとの認識を示した。
日本が新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)や、先月の日米共同声明で、東シナ海や南シナ海で海洋活動を活発化させている中国を念頭に、「脅威」や「懸念」を表明している点についても、「我々には何ら懸念されるようなことはない。
南シナ海問題は(中国と周辺国との)2国間の話であり、米国は関係ない」と主張した。
中江氏は、馬氏に対し、中国の軍事活動の透明性向上に向けた一層の取り組みを求めた。
引用、以上。
日本の南西諸島への防衛強化の動きに対して、中国が異常な警戒感を示しています。
このことは、日本の軍事力が強化されると、中国にとって甚だ都合が悪いということを意味しています。
中国の軍事力の要は、成長著しい海軍ですが、その海軍であっても南シナ海と太平洋の二正面作戦は不可能です。
本年6月17日の民間漁船による尖閣接近が中止されましたが、これは中国政府が中止圧力をかけたものと推測されます。それは同時期、中国海軍が南シナ海での紛争が続いていたからで、二正面作戦を嫌ったものと思われます。
アメリカの南シナ海での動きに中国が不快感を示したのも、圧倒的優勢を誇るアメリカ海軍の介入があった場合、南シナ海や太平洋における中国の覇権獲得戦略に影響を与えるからです。
これは日本の軍事力が強化されても同じです。むしろ、遠いアメリカよりも近くの日本に脅威を感じているかもしれません。
軍事的均衡を維持し、紛争の危険性を避けるためにも、今回のような中国政府の牽制を真に受けず、必要な防衛上の措置を取っていく政権が、今こそ求められています。