【“脱原発しがみつき”菅の緊急ペテン会見に騙されるな!】2011年7月13日 夕刊フジより
菅直人首相は13日夕、緊急の記者会見を開催。原発再稼働の安全評価「ストレステスト」を唐突に導入したことで「電力不安」が全国規模で拡大し、産業空洞化や雇用悪化の懸念が現実のものになろうとしている。
全国知事会や経団連会長、日銀総裁まで首相批判を強めるなか、またも一方的な口先会見で政権延命を画策するつもりのようだ。
菅首相をめぐっては北朝鮮絡みの献金スキャンダルも浮上しており、まさに四面楚歌の状態だが、得意のペテンがどこまで通用するか。
官邸周辺によると「会見日程は政権内から急に出てきた」という。
週明けに発表された報道各社の世論調査で、菅内閣の支持率は過去最低の16%台まで急落。民主党の政党支持率と合わせても50%以下の「即退陣水域」となり、反転攻勢策を余儀なくされたようだ。
会見では、原子力発電の依存度を引き下げる「脱原発依存」を掲げ、再生可能エネルギーへの転換を提示。「原発の国有化構想」にも触れるとみられる。
ストレステスト導入で電力不安が高まるなか、夏場や冬場の電力ピークをどう乗り切るかも説明するという。
東日本大震災以来、菅首相は「震災への対応」を理由に、1日1回だったブラ下がりを拒否し、自分に都合のいい時だけ記者会見を開いてきた。
被災地復旧・復興の遅れが批判されていた5月上旬、菅首相は中部電力浜岡原発の停止要請を突然発表し、支持率を一時的に回復した。
今回も、2匹目のドジョウを狙っているようだが、「原発事故を受け、国民の多くは『脱原発依存から再生可能エネルギーへの転換』に賛同している。
目新しさはなく、『また姑息な延命策だ』と見破られる」(民主党中堅)
菅首相の会見は、震災の復興基本法が施行された6月27日以来。
それにしても、自業自得だが、菅首相への批判は日々過熱している。秋田市で12日に開かれた全国知事会議でも、痛烈な意見が続出した。
「国に現実的なエネルギー政策がないため、国民が混乱している」(福井県の西川一誠知事)
「これは原子力行政への不信感ではなく、政府に対する不信感だ」(全国知事会会長である京都府の山田啓二知事)
「政府の(被災地復興への)取り組みは遅く、適切でない。現場感覚も臨場感もない。無い無い尽くしだ」(秋田県の佐竹敬久知事)
政界だけでなく、経済界の視線も厳しい。
経団連の米倉弘昌会長は11日、ストレステスト導入をめぐる政府内の混乱について「統一見解なるものを発表せざるを得なかった。
こんなバカな話は考えられない」とブチ切れ、「(これ以上、電力供給が低下すれば)国内の設備投資は止まり、雇用の維持ができるか疑問だ」と警告した。
物静かな日銀の白川方明総裁も12日の金融政策決定会合で「政策的な不確実性を小さくし、日本経済ができるだけ早く復旧・復興するために、政策面で必要なことを速やかに実行していくことが大切だ」と、かつてない踏み込んだ発言で菅政権に注文を付けた。
経済という言葉の由来である「経世済民」は、「世を経(おさ)め民を済(すく)う」という広義の政治と同義語。
財界首脳らの発言は、菅政権の国家統治能力にレッドカードを突き付けたものだ。
北朝鮮絡みの献金スキャンダルも直撃した。菅首相の資金管理団体「草志会」が、日本人拉致事件の容疑者親族の政治団体に6250万円者政治献金をしていた問題が炸裂。
13日には、5000万円を提供した2007年、民主党から草志会に計1億2300万円の献金があったことを産経が報じた。
政党交付金という国民の税金を受け取る公党の資金が、巨額献金の“原資”になっていた構図が浮かび上がったのだ。
自民党の「菅首相拉致関係献金疑惑追及プロジェクトチーム」は12日、国会内で初会合を開催。衆参両院の予算委員会などで追及していく方針も確認した。
追い詰められてきた菅首相だが、2世議員ではなく市民運動からのたたき上げゆえか、歴代首相にない打たれ強さがある。
鳩山由紀夫前首相は現職当時、副総理だった菅首相から、何度もこんな提言を受けたという。
「厳しい局面に立たされたら、別の大きなテーマを示せば、そちらに国民の目が向いて局面を打開できるんだ」
消費税10%、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)加盟検討、浜岡原発停止…。
菅首相は今回も政権延命のため、都合のいい政策を一方的に述べるに違いない。
引用、以上。
先程の記者会見で、菅首相は今後の「これからは原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至った」と述べ、「脱原発依存」を目指す意向を正式に発表しました。
また、「計画的、段階的に原発の依存度を下げ、将来原発がなくてもきちっとやっていける社会を実現することが我が国の目指す方向だ」と「段階的な原発ゼロ宣言」を発表しました。
玄海原発をはじめ、原発は再稼働しなくても供給できる見通しの計画を今後出していくとのことでしたが、具体的なことは何も示されませんでした。
記者会見では辞任を否定しましたが、本記事で指摘されているように、支持率急落と北朝鮮絡みの献金スキャンダルで四面楚歌の菅直人首相が、“脱原発しがみつき”で支持率回復を目指したものと言えます。