7月
12

2011/07/12 【ポスト団塊ジュニア正社員転換進まず―労働経済白書】

【ポスト団塊ジュニア正社員転換進まず―労働経済白書】2011年7月9日 SANKEI EXPRESSより

1970年代後半生まれの「ポスト団塊ジュニア」の男性は、他世代に比べて非正規雇用から抜け出せない人の割合が高く、90年代から本格化した派遣社員など非正規拡大のひずみが集中した-。

こうした世代論を展開した2011(平成23)年版の労働経済白書を、厚生労働省が8日発表した。

白書は職業訓練の拡充などを通じて、正規雇用への転換を支援すべきだと訴えた。

白書によると、バブル経済崩壊後、企業が進めた非正規拡大や採用抑制が、1970年代以降生まれの雇用を直撃。

特に70年代後半生まれの男性は、非正規の割合が10%台半ば付近に高止まりしたまま30代に達したと指摘した。

就職が「氷河期」に当たり「フリーター」などの形で社会に出ざるを得ず、その後もる非正規拡大の流れが続き、正社員転換が進まなかったと分析した。

70年代前半生まれの団塊ジュニアの男性は、非正規比率が低下。

80年代前半生まれも20代前半で高かったが、2000年代の景気回復の恩恵を受け20代後半で大きく低下し、正規雇用が増えた。

女性は男性に比べ非正規の割合が全体的に高く、明確な世代別特徴は見られなかった。

白書は、非正規雇用の人は「技能・賃金水準も低いままで、同世代の中でも格差が拡大している」と指摘。

職業訓練の拡充や、訓練履歴などを記したジョブカードの活用で、正規雇用への転換を強力に支援するよう訴えた。

白書は、雇用情勢全般について「震災で厳しさを増している」と指摘。「雇用維持で人々の不安心理を払拭し、社会の安定と持続的な経済成長につなげることが大切」と強調した。

労働経済白書は、大卒者の就職難を受け、大学教育と就職の関係を分析。

学生数が多い学科と産業界が求める専門知識との間に隔たりがあるとして、文系に偏重した学部、学科構成について再検討が必要と指摘した。

昨年の大学進学率は50.9%と過去最高となる一方、今年春卒業した大学生の就職率は91.0%と過去最低の水準。

専門別に見ると、文学部など文系学部・学科は、卒業後に進学も就職もしない人の割合が高く、工学部や農学部など理系は総じてその割合が低かった。

半面、大学定員は文系を中心に拡大し、入学者数が理系を上回る状況が続く。

白書は定員が「社会のニーズに合わせて拡大してきたとは言えない」とし、産業界が求める人材像を学科の構成にもっと反映させるべきだとした。また、大学生が就職できないのは「進路に関する明確な意思を持っていない」のも一因と指摘。

春に入学試験に合格した学生の入学を秋まで猶予する「ギャップイヤー」を導入し、猶予期間中に留学や就業体験などをすることで、早い時期から学生の職業観を養うことが有効だと提言した。

秋入学は東大が導入検討を始めており、今後、制度をめぐる議論が広がりそうだ。

引用、以上。

「ポスト団塊ジュニア」とは、団塊ジュニアの後に生まれた世代で、1975年から1982年までに生まれた世代(現在、29~36歳)のことです。

ポスト団塊ジュニアが就職する時期(90年代後半~2000年前後)は「就職氷河期」と呼ばれ、特に高卒の場合は就職が大変不利になっていました。

2000年8月発表の調査では、1997年の高卒者で「定職に就いている」が43.7%で、「アルバイトで働いている」が28.5%。1999年高卒者では「アルバイトで働いている」が47.8%に急増し、「定職に就いている」は24.9%になっています。

2005年以降、ポスト団塊ジュニアが30代に突入し始めましたが、1997年調査では30代前半男性の所得分布は最頻値が500~699万円帯だったのが、2007年調査では300~399万円帯が最頻値と収入が激減しています。

年収300万を下回る男性は、それを上回る男性と比較して既婚者の割合が著しく低い水準にあることが、内閣府が発表した「結婚・家族形成に関する調査」から明らかになりました。

この世代の非婚化、晩婚化は少子化問題にも直結し、大きな問題となっていますが、その原因はひとえに政府の経済失政にあります。

幸福実現党の経済政策本『日本経済再建宣言―幸福実現党の「新・所得倍増計画」でGDP世界一を目指せ!』(ついき秀学党首他著)で述べられている通り、幸福実現党は経済政策の中核に「新・所得倍増計画」を掲げています。

雇用改善に向けては個人の努力の範疇を越えているところもあり、日本経済全体の景気を良くしなければ、雇用は増えず、正社員比率も上向きません。

その意味で、「失われた20年」の長期不況の波をもろにかぶっている団塊ジュニア世代の救済は、「派遣村」でも「格差是正」でもなく、景気回復、経済成長あるのみです。「分配」ではなく、「成長」を実現して参りましょう!