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2011/07/05 【大卒の2割が就職先が無いという異常事態】

【大卒の2割、進路決まらず―朝日新聞・河合塾調査】2011年7月3日 朝日より

今年3月に4年制大学を卒業した学生のうち、5人に1人は就職や進学などの進路が定まらないまま卒業していたことが、朝日新聞社と河合塾の「ひらく日本の大学」調査でわかった。

不安定な立場にいる卒業生は、少なくとも8万6153人にのぼる。

全卒業生に占める割合を学部系統別でみると、最大で約5倍の格差があり、理系より文系の方が就職や進学に苦戦している傾向がみられた。

調査は、全国の国公私立大学計759校を対象に実施。558大学から回答があった(回収率74%)。

それによると、卒業者のうち、就職者は62.2%、大学院などへの進学者は16.1%だった。

就職、進学者以外と、アルバイトなど「一時的な仕事」に就いた者、「不詳など」を合計した卒業生は20.8%にのぼった。

【大卒就職率:今春、過去最低91.0%】2011年7月2日 毎日より

文部科学、厚生労働両省は1日、今春(10年度)卒業した大学生の就職率(11年4月1日現在)の確定値が前年同期比0.8ポイント減の91.0%だったと発表した。

「就職氷河期」といわれた99年度の91.1%を下回り、過去最低を更新した。両省は5月に東日本大震災の被害が大きかった東北地方を除いた暫定値(91.1%)を公表したが、東北地方のデータを加えて確定した。

北海道.東北地区の就職率は同0.1ポイント減の89.2%。同地区の2月1日時点の就職内定率は同0.5ポイント増の78.3%だった。両省は震災の影響で最終的な就職率が下がったとみている。

引用、以上。

今年3月の大卒の就職率が判明しましたが、朝日・河合塾調査の「就職率6割」と、政府発表の「就職率9割」では大きな隔たりがあります。

こうした場合、政府は就職率を高めになるよう統計操作していることが常であり、注意する必要があります。

朝日・河合塾は国公私立大学計759校(うち558大学から回答)と広い調査を行っていますが、政府調査は112校(国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)が対象になっています。

※朝日対象校→http://www.asahi.com/national/update/0702/TKY201107020502.html
※政府対象校→http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001cww6.html

また、政府調査は補足に「なお、就職率とは、就職希望者に占める就職者の割合です」とあり、大学院などへの進学者、司法試験・資格試験浪人や結婚希望者などは除外しているため、就職率が高く表れているカラクリがあります。

いずれにしても、大学を卒業しても2割前後の学生が就職先が無いことは異常事態であり、政府は迅速な景気回復策に取り組むべきです。