【「中国海軍近代化」米議会調査局報告書の要旨】2011年7月1日 産経より
米議会調査局がまとめた中国海軍近代化に関する報告書の要旨は次の通り。
一、中国海軍の近代化を含めた軍近代化に米国がいかに対応するかが、米国防計画の鍵に浮上してきた。
一、中国軍の近代化の短期目標は、台湾有事に対応するための軍事オプションを強化することに主眼が置かれてきた。
一、中国軍は台湾有事への米軍の介入を防ぎ、不可能な場合は到着を遅らせ、米海軍や空軍の介入効果を減らす「接近阻止能力」の獲得を目指している。
一、中国軍の近代化のさらなる目標は(1)南シナ海や東シナ海で他国と領有権主張が重なる海域で中国の主張を守る(2)米国の太平洋での影響力を排除する(3)世界の主要国としての中国の地位を守る-などだ。
一、中国海軍は(1)遠洋での大規模で継続的な作戦遂行能力(2)中国の他の軍との共同作戦(3)実戦での経験-などの分野で弱点がある。
引用、以上。
米議会調査局が中国海軍の近代化に関するレポートを発表しました。
米議会調査局がこのような報告書を出してくるということは、アメリカ軍はおろかアメリカ議会も、中国を「アメリカの国益に対する脅威」として認識し始めたことの証左です。
報告書の内容は、いずれも2010年頃に盛んにアメリカ軍とその関連機関やアメリカ軍と関係の深いシンクタンクから報告されてきた内容とほとんど変わらないものです。
中国海軍は、南シナ海や東シナ海を「中国の海」となし、米軍を撤退させ、西太平洋まで覇権を広げていく戦略を着々と進めています。
チンギス・ハンのように「世界最大の版図」を展開し、米国に代わる「大中華帝国」を樹立することこそ、中国政府の壮大な戦略目標です。
日本もその中に飲み込まれつつあります。日本は中国に対する正しい認識を持った上で、戦略を練り込み、中国の戦略を見据えたシナリオを描く必要があります。