【統幕長 中国海軍の活動は拡大】2011年6月23日 NHKより
日本の南の海域で大規模な演習を行った中国海軍について、自衛隊トップの統合幕僚長は、今後、さらに活動海域の拡大を図る可能性があるとして、警戒監視を続けていく考えを示しました。
これは、23日に開かれた定例の記者会見で明らかにしたものです。この中で、自衛隊トップの折木良一統合幕僚長は、日本の南の海域で艦隊を組んで大規模な演習を行っていた中国海軍について「ここ数年、太平洋で活動を活発化させていることを踏まえれば、今後も活動領域を拡大し、常態化を図っていくのではないか」と述べました。
そのうえで、自衛隊としても警戒監視を続けるとともに、その能力を高めていく考えを示しました。
引用、以上。
「中国の西太平洋進出」の怒濤の勢いの前に、日本政府はただ抗議も何もせずに、指をくわえて見ているだけです。
菅政権の迷走によって、政府は無能化しており、全く機能していません。こうした事態は日本の歴史上、最悪の事態です。
しかし、躍進する中国海軍にも弱点はありますし、逆に日本にも勝機はあります。
中国海軍は現在、訓練などの目的から東シナ海及び南シナ海において、盛んに艦隊を動かしています。
これは、元々陸軍国(ランドパワー国家)であった中国人民解放軍は、海軍部隊の運用に関するノウハウが無く、練度が不足しているからです。
海軍力としては、伝統ある海軍国(シーパワー国家)である日本やアメリカとの差は歴然としており、このままでは中国は艦隊戦で負けてしまう可能性があります。
そのため、中国海軍は一刻も早く日本やアメリカに追いつきたいが為に必死になって訓練を積んでいるのです。
また、中国はいわゆる「砲艦外交」(軍事力による威嚇を利用した外交)のツールとして、海軍の艦隊を有効に活用しています。
これに日本やベトナム、フィリピンなどの国々が反応しているのが実態です。
また、中国が弾道ミサイルや巡航ミサイルなどの兵器の開発に血道をあげているのも、中国艦隊のノウハウの欠如や練度の不足を補うために、艦隊同士の戦いになる前に、日本やアメリカの艦隊を撃破しようという考えに基づいたものです。
この考えは「アクセス拒否戦略」「接近阻止戦略」と呼ばれています。
また、地図を見ると中国があるユーラシア大陸に隣接する形で日本列島がありますが、地図の見方を変えると、日本列島が中国に覆いかぶさっているように見えます。
地政学上、中国が自国の海洋覇権の確立するためには、どうしても日本列島を意識せざるを得ないのです。
これらを踏まえて考えると、中国海軍の西太平洋侵出を押しとどめることは極めて単純なことです。
それは、海上自衛隊や航空自衛隊の部隊を活発に動かし、米海軍や米空軍と協力することによって、宮古海峡を中心とする南西諸島周辺海域、対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡の四つの海峡を固く守ることです。
この四つの海峡さえ守れていれば、中国が西太平洋に進出することは極めて困難です。
逆に言うと、これが出来ていないために、日本の安全が脅かされているのです。
中国の海軍は、今のところ「張り子の虎」である可能性が高いのは間違いのないところであり、先日行われた日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表に過剰に反応して海軍艦隊を動かしたり、資源を狙うために色々な国と係争していることからも判る通り、中国は周辺の安定を第一に考えなければならないシーパワー国家の原則を守っておらず、シーパワー国家としてはまだ未熟です。
よって、日本がしっかりと対処していれば、中国もおいそれと強硬な態度に出ることはできません。
今こそ、日本とアジアの平和と安定を守るために決然と行動する時が来たと言えます。