【沖ノ鳥島周辺海域へ調査船―中国、原発事故名目に】2011年6月17日 産経より
中国国営新華社通信によると、中国国家海洋局は16日、福島第1原発事故による放射性物質の海洋環境への影響調査という名目で、日本最南端の沖ノ鳥島がある西太平洋に海洋調査船を派遣した。
調査は30日間で人員は約40人。航海距離は約5千カイリ(約9260キロ)という。
中国は沖ノ鳥島を「岩」にすぎず、日本が排他的経済水域(EEZ)を設定するのは不当と主張。
周辺海域で海軍の訓練を実施したり、海洋調査を繰り返すなど活動を活発化させてきた。今回もその一環とみられる。
国家海洋局の長王飛副局長は出航式で「今回の調査で海洋環境への放射性物質の汚染状況を全て把握できる」と述べ、西太平洋で放射性物質の検知能力を強化していく考えを表明した。
引用、以上。
この記事は疑問ばかりです。
日本海側ならまだ理解できますが、なぜ中国がわざわざ沖ノ鳥島周辺海域に侵出して、海洋汚染の影響調査を行う必要があるのか?
国家海洋局の局長は「今回の調査で海洋環境への放射性物質の汚染状況を全て把握できる」と述べていますが、福島第一原発から遥かに離れた沖ノ鳥島で、海洋汚染の状況が全て把握できるのか?
要は中国にとっては、口実(大義名分)など何でも良く、沖ノ鳥島周辺の海底地形や海流などを調査することが目的であると考えられます。
沖ノ鳥島周辺への中国の侵出は、米国との西太平洋の覇権争いが背景にあります。
米国の戦略基地であるグアムと、それをしのぐ重要な基地がある沖縄とを直線で結んだ中間地点に沖ノ鳥島があります。
すなわち、沖ノ鳥島周辺海域は第七艦隊の最短通行ルートであり、米国に対抗して西太平洋の派遣を狙う中国にとっても戦略的に重要な海域です。
中国が将来の米国との衝突に備えて、潜水艦が発見されないように航行するための海底地形や海流の調査をしているものと推定されます。
中国は沖ノ鳥島は「島」ではなく、「岩」であり、この海域は「日本の排他的経済水域(EEZ)ではない」と主張し、自由な海洋調査を行っています。
日本政府はこれ以上、弱腰外交をやめ、沖ノ鳥島は「島」であり、この領域は日本の排他的経済水域であることを毅然として主張し、中国に対し断固抗議すべきです。