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2011/06/13 【高所得者に追加負担も―政府税調、最高税率上げ検討】

【高所得者に追加負担も―政府税調、最高税率上げ検討】2011/6/71:30 nikkei.comより

政府は社会保障制度改革と財政再建を目指した消費税率の引き上げ論議を始めたが、高所得者に追加負担が生じる可能性が出てきた。

閣僚らで構成する政府税制調査会は消費税増税と同時に所得税の最高税率引き上げなどを検討する。所得の再分配を強めることで公平感を醸し出す狙い。

社会保障財源としての消費税率上げは不可避とみられるが、それに乗じて増税メニューが膨らめば、経済の活力をそぎ、成長を阻害する恐れがある。

政府税調は7日午前、野田佳彦財務相ら関係4閣僚による会合を開き、消費税を柱に包括的な増税論議を本格的にスタートさせる。

税調には与党幹部や各省庁の副大臣も参加しているため、増税論議は集約が難しい。

まずは4閣僚で議論の進め方を調整し、そのうえで全メンバーが参加する全体会合を開く。

社会保障と税の一体改革原案は消費税率を2015年度までに10%まで上げるシナリオを示した。同時にさまざまな税について制度を見直す。

所得税では現行40%の最高税率の引き上げなどが検討課題だ。所得税の最高税率は1987年に70%だったが、バブル景気崩壊後の相次ぐ減税措置もあって大幅に下がってきた。

07年には国から地方への税源移譲に伴う調整で37%から上げたが、その際は地方税の住民税の最高税率を下げた。

増税主体の改正が実現すれば、戦後初となる。「働く人が報われる」という方向で見直してきた所得税が転換点を迎える。

政府は高所得者に重い税負担を課すことで税による所得の再分配を図る考えだが、税収が細るなかで、思惑通りに再分配につながるか微妙。

消費税増税に対する低所得者層の不満を分散させる効果しか見込めない可能性もある。

6月下旬にまとめる一体改革の最終案に、税制改革の方向性を盛り込む。

野党の自民、公明党は連立政権時代の09年に成立させた所得税法の付則104条で、所得税増税などを明記した。

自公の掲げた路線を踏襲することで、政府は与野党協議に臨みたい考えだ。

一方、政府税調は東日本大震災の復興策を検討する復興構想会議が6月末に第1次提言をまとめるのを受けて、復興費用に充てるための臨時増税策も議論する。

一定期間に所得税額を割り増す「定率増税」などが検討課題となる見通し。消費税の増税を一時的に復興財源に充てる案もくすぶる。

11年度税制改正大綱に盛り込んだものの実現していない所得税・相続税の増税などの扱いも合わせて、政府は相次ぐ増税論議を整理し、今夏にも全体像を示す。

ただ実現に向けたハードルは高い。消費税と所得税の増税が同時進行すれば政府・与党内からも慎重論が沸く公算がある。

一方、本筋の消費税増税から逃げれば金融市場での日本国債の信認低下につながるほか、日本企業の国際競争力を高めるための法人税減税が遅れるとの指摘もある。

引用、以上。

「消費税・所得税一体増税」案が進んでいます。

「社会保障費の財源は消費税増税で、所得の再配分(バラマキ)の財源は所得税の最高税率引き上げで」といった構図ができつつあります。

記事にもありますように、所得税について、増税主体の改正が実現すれば「戦後初」となり、「働く人が報われる」方向で見直してきた所得税が転換点を迎えることになります。

すなわち、民主党政権は「格差是正」「所得の再分配」という名目で、政府が高所得者に重い税負担を課し、「働く人が報われない」社会をつくろうとしているのです。

「努力が報われない社会」の典型が「社会主義」です。一方、幸福実現党が「減税」「規制緩和」等で目指しているのは「努力が報われる社会」です。これは「縁起の理法」が具現化した社会です。

所得税増税では、富裕層は税率の低い海外へ流れ、逆に税収は減少してしまいます。実際、諸外国では所得税を減税し、富裕層を集めようとしています。

例えば、日本の所得税の最高税率が40%(地方税を入れると50%)に対し、諸外国の最高税率は、スイスが11.5%、ロシアが13%程度です。シンガポールは2008年に20%から18%へ引き下げました。所得税増税の流れは世界の流れに逆行します。

昨年12月、オバマ大統領は「包括減税法」によって、ブッシュ前政権が導入して、年末に期限切れとなる所得減税などの「ブッシュ減税」の2年延長する「オバマ減税」に署名しました。

その背景には「日本型長期低迷に陥りかねない」という危機感が米国にあったからです。

このようなデフレ不況、震災不況の中で、「消費税と所得税の一体増税」を行なおうとする民主党政権は「この国を潰したい」としか思えません。