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2011/06/08 【北朝鮮が高濃縮ウランで核実験の可能性、米専門家】

【北朝鮮が高濃縮ウランで核実験の可能性、米専門家】2011年6月6日 聯合ニュースより

北朝鮮が高濃縮ウランを利用し3回目の核実験を実施する可能性が高く、米国や中国はこうした北朝鮮の核開発を阻止できないとの主張が提起された。

米ブルッキングス研究所のジョナサン・ポラック上級研究員は5日、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議で北朝鮮核関連の発表を行い、「北朝鮮は絶対に核開発をあきらめない」とし、このように主張した。

ポラック氏は、北朝鮮は共産主義国というより伝統的な王朝に近いと指摘。金正日(キム・ジョンイル)政権は米中の核放棄・資本主義改革の圧力を無視し、自分たちの王朝を守るため難攻不落の要塞を構築したと述べた。

特に、1991年のソ連崩壊後、中国が韓国との関係改善に乗り出したことで、北朝鮮は「伝統的保護者」の中国に見捨てられることを懸念するようになり、生存を担保できる唯一の手段として核兵器を開発していると分析した。

また、北朝鮮が1970年代に米中関係の改善が始まったころ、意識的に核開発の開始を決定したことに注目すべきだとし、北朝鮮は「老練かつ周到綿密な計画に基づき核開発を行っている」と説明した。

北朝鮮は核開発計画とコメや原油の交換が可能だとの立場を示すことがあるが、実際には放棄する考えはまったくないと指摘。

最善の方法は、制裁を続けながら核開発を遅らせるための努力を並行することだとの考えを示した。

引用、以上。

北朝鮮が過去2度の核実験を実施した咸鏡北道吉州郡豊渓里の核実験場で、複数の坑道を新たに掘削していることを米韓の情報当局がとらえており、3度目の核実験は近いと見られています。

北朝鮮の核実験のねらいは、核のミサイル搭載化(小型化)と言われており、北朝鮮は既にウラン濃縮に向けた遠心分離機を外部に公開しており、北朝鮮がプルトニウム型核兵器の性能を向上させるための核実験に踏み切ることが予想されます。

北朝鮮にとって核実験は、核ミサイル完成に向けたステップであると同時に、国内外に向けた政治・外交カードでもあります。

2006年10月の1回目の核実験では米国による金融制裁を回避し、2009年5月の2回目の核実験の際には、金正日総書記の健康問題によって生じた党や軍の不穏な動きを抑え込むことに成功しました。

3回目の核実験が金正恩氏の後継体制を固めると共に、米国主導の経済制裁が続き、韓国とも韓国哨戒艦撃沈、延坪島砲撃事件の後、交流が途絶える中で、現在、深刻な食糧危機に見舞われている北朝鮮に対する援助を引き出すカードとして使用する可能性もあります。

いずれにせよ、3回目の核実験が成功すれば、わが国にとって北朝鮮の核ミサイルの脅威が一段と強まることは間違いなく、北朝鮮に対する国防強化、憲法9条適用除外の手続きが急務です。