【大統領をサウジへ搬送 イエメン、攻撃で負傷】2011年6月5日 産経より
AP通信によると、反政府デモが続くイエメンのサレハ大統領は4日、首都サヌアの大統領宮殿への攻撃によるけがを治療するため、隣国サウジアラビアに搬送されることに同意した。ロイター通信などは5日、サレハ氏がサウジの首都リヤドに到着したと伝えた。
一方、中東の衛星テレビ、アルジャジーラは4日、ハディ副大統領が大統領代行と軍最高司令官に就いたと伝えた。
サレハ氏は自身の30日以内の退陣を含むサウジなど湾岸協力会議(GCC)の仲介案を何度も拒否してきた。
早期帰国は困難になるとみられ、行き詰まっていたイエメン情勢が動きだす可能性が出てきた。
大統領宮殿への攻撃は政府と部族勢力の戦闘が続く3日に発生。敷地内のモスク(イスラム教礼拝所)に砲撃があり、サレハ氏に加え、ムジャワル首相ら政府高官も負傷した。
引用、以上。
内戦に発展し始めていたイエメン情勢がまた一つ動き出し始めました。
サレハ大統領の退陣は反体制派が強く求めてきていたことであり、内戦を終結させるには一番のタイミングで、サレハ大統領がサウジに運ばれました。
アメリカやサウジアラビアにとってもイエメンの混乱が飛び火することは一番防ぎたいシナリオであるため、今後はサレハ大統領をサウジにそのままとどめ置いておく可能性が高いと言えます(強制的な政治亡命)。
新しくトップとなった副大統領の思惑はまだ不明ですが、反体制派との再度内戦終結に向けた対話が行われると推測されます。