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2011/06/05 【菅直人首相が8月までに退陣する見通しとなった】

【菅首相:8月までに退陣「2次補正、特例公債法案はやる」】2011年6月4日 毎日より

菅直人首相が8月までに退陣する見通しとなった。

枝野幸男官房長官が4日「長く居座る気持ちは首相には全くない」と発言したのに加え、民主党の岡田克也幹事長も宮城県白石市で「首相は延命を図ることは全くない」と記者団に語るなど、政府・民主党執行部から早期退陣を示唆する発言が続出。

安住淳国対委員長は同日「首相は早晩、重大な決断をすると思う。夏を区切りにするというのは一つだ」と述べた。

菅首相の9月の訪米は困難な情勢となった。

首相は4日夜、民主党の石井一副代表と首相公邸で会談。自らの退陣時期について「(11年度2次補正予算案と特例公債法案で)最大の努力をし、やりきる。職に恋々としない」と述べた。

首相は2日、内閣不信任決議案採決直前の党代議士会で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の対応に「一定のめど」をつけた時点で退陣する意向を表明。

同日夜の記者会見で「一定のめど」について「(原発が)冷温停止の状態になること」と述べ、早期退陣を事実上否定していた。

だが、2日の菅首相との会談を「退陣の確約」と受け止めている鳩山由紀夫前首相は、首相を「ペテン師」と痛烈に批判。

党内の首相に批判的な勢力が両院議員総会の開催を求める署名を集めるなど、党内対立が再び激化していた。

首相は石井氏との会談で「一定のめど」をめぐって、2次補正予算案や特例公債法案に言及し、枝野氏らが早期退陣に言及したのは、菅首相の退陣否定が「居座り」と受け取られるのを打ち消すためだ。

遠くない時期の退陣を明確にしなければ、党内や野党の反発を抑えられないとみて、事態の沈静化を迫られた。

野党の協力が得られなければ、11年度予算の執行に不可欠な特例公債法案の成立も見通しが立たず、今後の政権運営が極めて難しくなる。

安住氏も退陣時期について「(11年度)第2次補正予算案を編成して、できれば成立することを考えても、そう遠くない時期だ」と指摘している。

首相に近い閣僚は「首相は『ペテン師』とまで言われて居座る気はない。首相の考えは枝野、岡田、安住氏の発言と基本的に同じだ」と述べ、こうした認識を首相自身も共有しているとの考えを示した。

別の党幹部は「(枝野氏らは)週末に一斉に発言する打ち合わせをしていた。首相とも話はしている」と語った。

首相に近い若手衆院議員は「あらためて、退陣の時期について期限を言う可能性はある」と語った。

一方、自民党の石原伸晃幹事長も4日、BS朝日の番組で「長くても7月、できれば6月に辞めてもらいたい」と述べ、菅首相のもとでは政権に協力しない姿勢を明確にした。

引用、以上。

菅首相が8月までに退陣することが既定路線になったのは、野党や民主党内からも「居座り」批判が強くなる中、2011年度予算の執行に不可欠な特例公債法案と2次補正予算案が成立しなければ、東日本大震災の復興に支障が出るのは避けられないとの見方が、民主党執行部の間で高まったためです。

「首相のクビ」と引き換えに両法案の成立を図る戦略ですが、野党は退陣時期のさらなる前倒しを求めており、退陣時期を巡る駆け引きは収まりそうにありません。

自民党は月内の参院への首相問責決議案提出も辞さない考えで、小沢グループも「問責決議案が可決されれば辞任せざるを得ない」と見ています。

菅首相としては、9月前半の公式訪米までは首相を続けたいという気持ちがあるのでしょうが、岡田氏や枝野氏、安住氏ら取り囲みが、菅退陣の外堀を埋め始めており、もはや菅首相はレームダック状態に陥っています。

民主党内を騙す意図で言ったにせよ、首相が一旦、「退陣」を口にした以上、レームダック化は避けられず、今後、ポスト菅争いや大連立構想などを含めた政局の流動化が激しくなることは必至です。

「信なくば立たず」ーー菅首相の求心力が急激に低下する中、迅速な復興や国難打破はもはや不可能な状況です。