【首相の意向で海水注入中断…震災翌日に55分間】2011年5月21日8時11分 読売より
東京電力福島第一原子力発電所1号機で、東日本大震災直後に行われていた海水注入が、菅首相の意向により、約55分間にわたって中断されていたことが20日、分かった。
海水を注入した場合に原子炉内で再臨界が起きるのではないかと首相が心配したことが理由だと政府関係者は説明している。臨界はウランの核分裂が次々に起きている状態。
原子炉内での臨界には水が必要だが、1号機は大震災直後に制御棒が挿入され、水があっても臨界にはなりにくい状態だった。
東電が16日に発表した資料によると、1号機の原子炉への海水注入は震災翌日の3月12日の午後7時4分に開始された。それ以前に注入していた淡水が足りなくなったため、東電が実施を決めた。
複数の政府関係者によると、東電から淡水から海水への注入に切り替える方針について事前報告を受けた菅首相は、内閣府の原子力安全委員会の班目春樹委員長に「海水を注入した場合、再臨界の危険はないか」と質問した。
班目氏が「あり得る」と返答したため、首相は同12日午後6時に原子力安全委と経済産業省原子力安全・保安院に対し、海水注入による再臨界の可能性について詳しく検討するよう指示。
併せて福島第一原発から半径20キロ・メートルの住民に避難指示を出した。
首相が海水注入について懸念を表明したことを踏まえ、東電は海水注入から約20分後の午後7時25分にいったん注入を中止。
その後、原子力安全委から同40分に「海水注入による再臨界の心配はない」と首相へ報告があったため、首相は同55分に海江田経済産業相に対し海水注入を指示。
海江田氏の指示を受けた東電は午後8時20分に注入を再開した。その結果、海水注入は約55分間、中断されたという。
引用、以上。
最近になって1号機は12日午前には全炉心溶融(メルトダウン)していたと報道されていますが、菅首相の判断ミスが被害を拡大させたとの見方が出ています。
3月12日に東電は福島第1原発1号機への海水注入を開始したにもかかわらず、菅首相が「聞いていない」と激怒したとの情報が入り、約1時間中断してしまいました。
これについて専門家は以下のように述べています。
■二ノ方方壽(ひさし)・東京工業大教授(原子炉工学)の話
「当時の1号機は、炉内の核燃料が損傷しているのは間違いなく、注水停止は、事態を悪化させた可能性が高い。事故2日目で、炉心の状態の情報が殆どない状況では、とにかく冷やすことが必要だった。
仮に注水で再臨界が起きたとしても、それほど飛びぬけて高いエネルギーが出るわけではない。(核燃料の過熱が続くことにより)再臨界を恐れたとしたら、全くの誤解だ」
■奈良林直・北海道大教授(原子炉工学)の話
「海水注入は続けるべきだった、注入できなかった55分間は、圧力容器に対して非常に厳しい状況だっただろう。真水でも海水でも、臨界の起きやすさは変わらない。
また、現在明らかになっているデータでは、この時既にメルトダウンしており、圧力容器の底で塊になった燃料は本来臨界になりにくい。
たとえ炉内の状況がわからなかったとしても、メルトダウンや圧力容器の損傷を防ぐ意味で注入を続けるべきだった。
ホウ酸を加えることは間違いではないが、注入を止めてまですることではない」
■住田健二・大阪大名誉教授(原子炉工学)の話
「原子炉に水がない状態で注水すると臨界になる、と心配するのはごく自然なことだが、海水を注入した時点では、その前に入れた真水があったはずで、すぐに臨界になるとは考えにくい。
不純物が含まれる海水を注入すると、長期的には腐食などの問題があるため、なるべくなら原子炉に入れたくないというのは理解できるが、海水だから臨界になるというものではない。」
自称「原子力の専門家」の菅首相が、東電の判断に激怒し、海水注入を止めましたが、これが事態を悪化させたことは間違いありません。
今回の福島原発の事故が菅直人氏の誤った「政治主導」による「人災」であることは明らかです。
今回の震災被害は、菅首相自身が被害を増幅していたことがハッキリしました。
「人災」を拡大し続ける菅首相を退陣に追い込んで参りましょう!