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2011/01/13 【南鳥島沖に巨大鉱床、レアアース含有で商業採掘へ政府本腰】

【南鳥島沖に巨大鉱床、レアアース含有で商業採掘へ政府本腰】(2011年1月1日 神奈川新聞より) 

日本最東端の南鳥島沖の深海底でレアアース(希土類)を豊富に含む巨大な鉱床が見つかり、政府が商業採掘に向けて2011年度から本格調査に乗り出すことが分かった。 

レアアースは次世代自動車やIT製品の生産に不可欠な金属資源。輸入に依存している日本は、世界6位の広さがある排他的経済水域(EEZ)内で開発に力を入れており、具体化する第一歩となる可能性がある。

 見つかった鉱床は「マンガンクラスト」と呼ばれ、本州から約1800キロ離れた南鳥島の周辺にある。1億年前に活動を終えた海底火山が連なる海域で、特に「拓洋第5海山」の堆積物からはレアアースのほかコバルト、ニッケル、銅、白金(プラチナ)などが検出された。

 鉱床が広範囲を覆っていることは東京大学と高知大学の合同調査で、海洋研究開発機構(JAMSTEC、横須賀市)の無人探査機「ハイパードルフィン」が09年2月に確認していたが、資源量は分からなかった。

 東京大学生産技術研究所の浦環(たまき)教授らが10年7月、超音波(エコー)を使ってマンガンクラストの厚さを高精度で計測する海底調査を世界で初めて実施。

 「ハイパードルフィン」に計測装置を取り付け、高さ5千メートル級の拓洋第5海山を超音波で計測することに成功した。結果の分析から、周辺の鉱石は2億トンに上ると試算する研究者もいる。

 高知大学の臼井朗教授(資源地質学)は「非常に広い範囲に厚く分布していることが分かり驚いた。資源開発に一歩近づいた」と評価。「今後は開発技術の確立や、環境影響調査といった商業採掘に向けた課題の解決が焦点となる」としている。

 レアアースは中国が11年上半期の輸出許可枠を10年同期より35%減らすと発表している。

 政府は10年6月に新たな「エネルギー基本計画」を策定。海底資源の商業化を国家戦略に掲げ、日本近海の鉱物資源の開発・利用を促進する方針を示した。11年度政府予算案ではマンガンクラストの資源調査に本格的に取り組むため、6億6千万円を新規計上した。

 資源エネルギー庁はとりあえず20年後をめどに商業採掘を実現させる方針を示しているが「技術の進歩によっては前倒しもあり得る」(鉱物資源課)としている。

以上、他的経済水域の広さでは、日本は世界第6位で約450万キロ平方メートル、約90万キロ平方メートルの中国に対して、5倍の広さを有しており、中国のレアアース禁輸措置等でエネルギー安全保障の危機に立つ日本にとっては大きな朗報です。

 海洋探査に関する科学技術の進歩により、海底資源の鉱物資源開発が現実になって来ました。しかし、海洋資源開発には、宇宙開発と同じく莫大な資金が必要なため、日本政府は国力を挙げて取り組む必要があります。

 但し、注意すべきは中国や韓国の動きです。

 南鳥島は周辺国との資源争いが表面化していませんが、中国は南鳥島海周辺海域の海底資源に関心を示しており、排他的経済水域(EEZ)外では激しい争いになることも予想されます。

 これまで中国は興味を示していませんが、南鳥島沖海域に巨大海底資源が発見されたことで、尖閣諸島の時と同じく、「南鳥島は古来より中国固有の領土だ」と主張してくる恐れもあり、日本が「弱腰外交」を続けていれば、南鳥島も中国の領海になる恐れがあります。