先ごろ発表された日本の昨年度の貿易統計によれば、輸入、輸出ともにリーマンショック以来の大きな落ち込みとなりました(※)。
世界中に広まったコロナ禍による経済低迷の影響によるものと見られています。
この統計で気になる数字があります。
それは中国との貿易です。
欧米との貿易額は軒並み落ち込む中で、中国との貿易額は2年ぶりの増加となっています。
欧米との貿易が減少した分を、中国との貿易が一定程度カバーした形になっており、日本経済にとっては朗報と見る向きもあります。
しかし、これはコロナ禍を契機に対中依存度が増したことに他なりません。
欧米諸国は、コロナ禍による経済低迷の中にあって、人権問題などで中国への経済制裁に舵を切っています。
これはある意味で、国際正義を貫く姿勢を示していると言えます。
一方で日本は、制裁に消極的なことから、中国の様々な問題には目をつむって、経済的な利益を食んでいるようなものです。
そこに正義はあるのでしょうか。
「中国と波風を起こさないこと」、「経済的な実利優先」というのは本当に正義なのでしょうか。
中国の経済発展による原資が、ウイグルでの大規模な強制収容所や、我が国をはじめとする周辺諸国を威圧する軍拡に使われているのです。
ですから、中国に対し「民主化しなければ、これ以上の経済発展は無い」という姿勢で臨むことが大切です。
日本経済の対中依存が高まることへの危機に、今こそ私たち日本人は目覚めなければなりません。
たとえ対中貿易額が減少しようとも、覚悟も持って正義を貫くことこそが、自由・民主・信仰という価値観を守ることに繋がると考えます。
※:https://www.sankei.com/economy/news/210419/ecn2104190005-n1.html