各種報道はバイデン政権の誕生を前提に動いています。
バイデン氏はロシアに対し厳しい姿勢を示しており、ロシアによるサイバー攻撃には「報復する」と強調しています。
ロシアとの関係改善の機会を常に伺っていたトランプ大統領とは対照的です。
一方、ロシアのプーチン大統領は中国との軍事同盟の可能性を否定してきましたが、米大統領選の直前に中露間の軍事同盟について「想像できる」と軌道修正をしました。
これは、米大統領選への牽制と考えられていますが、今となっては、もしもバイデン政権が誕生すると中露軍事同盟が一気に現実味を帯びます。
トランプ大統領の米露融和路線に対して、バイデン氏は欧州諸国と協調してロシア包囲網を強化する可能性があります。
そうなれば、ロシアにとっては、地政学的に潜在敵である中国しか、孤立を打開する糸口が無くなってしまいます。
ロシアは中国から経済的な利益を得る一方で、中国は安全保障上の脅威である背後に位置するロシアに対する警戒を緩めることができ、双方の思惑は一致します。
ただ、中露の軍事同盟は、中露両国に隣接する日本にとっては最悪です。
現在でも中国への対処で手一杯になりつつある自衛隊にとって、今後ロシアが中国と連携して活動するようになれば、二正面作戦を強いられるようになり、更に状況がひっ迫するからです。
日本は、今の内に急いで真の脅威である中国に対して手を打つ必要があると考えます。