2027年のリニア中央新幹線(品川-名古屋間)の開業が遅れる懸念が高まっています。
これは、工事に伴う環境対策が問題となって静岡県内でほとんど着工できていないためです。
今後は、状況に応じ国が主体となって、工事を行うJR東海と工事の認可を行う静岡県の間の調整を進めるとのことです。
リニア中央新幹線は、品川-名古屋間の建設費だけで5兆円とも言われる大事業だけに、本来であれば、建設そのものを国が主導して行うべきものです。
ですから、国は調整役に徹するだけでなく、今からでも建設を取って代われば、開業が遅れる心配もなくなります。
政治の方向性として、民間ができるものは極力民間で行うべきと考えますが、ここまで大きなインフラ構築事業であればこそ、国が行う意味があります。
リニア中央新幹線の構想段階では、2020年の東京オリンピックまでに東京-大阪間を開業させる期待がありましたが、結局、その夢はかないませんでした。
しかし、仮に、東京オリンピックの開催に合わせて開業できていれば、相乗効果により経済効果は一層高まっていたはずです。
当初から国が強い意志を持って主導して、資金を調達し建設を進めていれば、ひょっとしたら50年前と同様に東京オリンピックに間に合わせることが出来たかもしれません。
その場合の経済効果は計り知れなかったことでしょう。
今後、日本の新たな大動脈となることが期待されるリニア新幹線は、東京-大阪間に留まらず、北へ西へと延伸されるはずです。
移動時間を大幅に縮める「交通革命」は、時間そのものを生み出す革命です。
時間当たりの付加価値は高まり、経済成長を飛躍的に促進します。
リニア新幹線の早期開業に向け、ぜひとも政府にはより一層の後押しを期待します。