2012/01/17【顧客の創造どころか、このままでは顧客である国民が逃げ出してしまいます】
「企業の目的は顧客の創造である」とはドラッガーの言葉ですが、デフレ環境下における顧客創造を目指して流通業は死に物狂いで戦っています。その姿に誠に厳しい風圧を感じます。
デフレ環境下で海外の顧客を必死になって開拓している一次産業は放射能による風評被害という思わぬ敵の登場に苦しんでいます。
民間が厳しい環境に置かれている中で報道された、通産省の大物官僚のインサイダー取引は、ただただあきれるばかりです。マスコミがたたくのも道理だと思います。
ここで、マスコミが追求する利潤動機について、掘り下げて考えてみたいと思います。
利益はそもそも顧客を創造した結果得られるものです。そして利益があればこそ企業は不況期のリストラ圧力に耐えたり、次の顧客創造のためのコストとして生かすことができます。これを「継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)」と言います。
政治や役所にとって人口増加を顧客の創造に置き換えてもよいかもしれませんが、そうではなく予算の達成を絶対の目標と勘違いしています。
これは世界共通の現象なので、ドラッガーは公的機関こそ成果に集中しなければならないとその著書で主張しています。(マネジメント)
ですので、守るべき原則は「現在行っていることは永遠に続けるべきものである」ではなく「現在行っていることは近いうちに廃棄すべきものである」と主張しています。
予算が余ることは利益のようなものであるから悪であると考えているとしたら分かりやすい気がします。
不要になった規制を止めないことや、650兆円もある資産の売却を考えようともしないことも、それが民間で言うところの利益につながる発想だからと考えると、なんだか繋がってくるように思えませんか?
予算を余らせることは未来の顧客である国民への貢献なのです。
貢献こそ政治が考えなければいけない成果です。
野田首相は、何をおいても先ず、予算を減らすことを宣言しなければならないのではないでしょうか。
予算のリストラはうやむやにして、社会保障と税の一体改革と銘打った増税を実現したいようですが、そのうち顧客である国民が逃げ出してしまいます!
2012/01/15【滞納、格差、景気減退、本当は問題の多い“消費税”という税制の実態】
1月13日、野田改造内閣が発足しました。
野田首相は改造内閣発足を受けての会見で、消費税増税の実現に向けての決意を改めて強調しました。
今回の人事で、注目されるのは岡田前幹事長の副総理兼社会保障と税の一体改革・行政改革担当相への起用です。
岡田氏は、政権交代前の民主党代表当時から消費税増税に積極的で、野田首相からの信頼が厚く、消費増税法案の通常国会提出を強力に推進するものと見られます。
消費税増税にひた走る野田内閣ですが、消費税には他の税目と比べて、滞納が多いという特徴があり、その額は2010年度で3,398億円にものぼります。この数字は、全税目の滞納額の約半分に相当します(※)。
また、民主党案では、消費税増税の影響を大きく受ける低所得者層に対しては、「給付付き税額控除」の導入を目指していますが、同じく、消費税増税の影響を大きく受ける中小企業に対しての議論は十分にはなされていません。
消費税が増税された場合、立場が弱い中小企業はその分、価格を上げることができず、消費税分を自分達でかぶらざるを得ないという指摘があります。こうなると、ただでさえ増税により景気が冷え込む上に、中小企業の倒産・廃業が相次ぎ、失業率も上昇することが懸念されます。
更に、消費税には「仕入れ税額控除」という制度があり、消費税の支払いは、仕入れで支払った消費税を控除できるため、正規雇用から控除対象となる非正規雇用への切り替えを促進します。
つまり、消費税を10%まで増税したら、ますます非正規雇用が増えることにつながります。
このように、消費税という税制そのものに問題点が多く潜んでいます。
消費税増税は、経済を冷え込ませるため、所得税などを含めた国の全体の税収は、過去の例からも中長期的に落ち込むことが明白です。
社会保障のための安定財源確保という建前で、財務省の権限や政府の機能を肥大化させ、国民を豊かにしない税制改革には断固反対します。
※:国税庁「平成22年度租税滞納状況について」http://p.tl/GER6
2012/01/15【与野党協議を拒否しても、結局は増税賛成】
1月12日、自民党の谷垣総裁は、民主党が呼び掛けている消費税増税に向けた与野党協議について「民主党は4年間上げないと言ってきた。けじめをつけずに方向を変えることを許しては嘘の片棒を担ぐことになる」と、あらためて応じない姿勢を示しました(※)。
このように現時点では、民主党政権が画策する消費税増税法案は、自民党と公明党が解散総選挙をちらつかせているので、そう簡単に可決する可能性は低いと思われます。
しかし、もともと麻生政権時代から、自公両党は消費税増税を主張していることからみて、消費税増税について基本路線は賛成と考えるのが自然です。
従って、もし自公両党が、民主党政権の解散にこぎつけたとしても、民主党の掲げる「税と社会保障の一体改革」素案自体に賛成であれば、法案は可決されることになります。
しかも、「税と社会保障の一体改革」中に盛り込まれている増税案は、消費税だけではないのです。
例えば、所得税の最高税率を40%から45%へ引き上げ、年少扶養控除廃止、相続税最高税率55%への引き上げ、地球温暖化対策税の創設まで触れられています。
消費税増税に関心が集まる中での姑息な増税です。
更に、増税による国民負担の増加への批判をかわすため、低所得者への年金加算、医療・介護保険料の軽減、年金受給資格を25年から10年へ短縮など、国民にとっては甘い「アメ」の部分も用意されています。
しかし、毎年1.3兆円のペース増え続けるとされる社会保障関係費には、政府の無駄遣いと国民の要求がエスカレートしていることに原因があり、この部分を見直さなければなりませんが、既存の政治家は甘い約束をすれば票になるので、なかなか抜本的な見直しにはつながりません。
そのため、「選択と集中」と呼ばれる支出の見直しが急務となるわけです。 民主党政権の「税と社会保障の一体改革」は、国民のバラマキへの「タカリ」の精神の助長と政府による私有財産の収奪が本質です。
やはり、社会保障の改革は、経済成長による税収増も同時に考えるべきです。政府による「増税ラッシュ」は、日本を「重税国家」「国家社会主義」へ向かわせます。 ※:1月12日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120112/stt12011221120010-n1.htm
2012/01/14【米大統領選に見る、信仰心の大切さ】
1月10日、米大統領選に向けた共和党の公認争いは、ニューハンプシャー州で党員による予備選挙が行われ、前マサチューセッツ州知事のロムニー氏が勝利しました。これで、ロムニー氏はアイオワ州に続いて2連勝となり、今後の公認争いを有利に進めることができると見られています。
今回の予備選では、各候補ともに自身の宗教性アピール合戦が盛んです。昨年12月29日付のインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙より各候補を見てみると、ロムニー氏の選挙広告には「子供のころから教会に通い続けている」という記載があります。テキサス州知事のペリー氏のCMでは、演説シーンの背景にステンドグラスと十字架が映っています。産婦人科医出身の下院議員のポール氏のCMでは、彼の元患者が「本物の信仰があるクリスチャンなら、正しい道を歩んでいけます。ロン・ポールこそそういう人です」と話しているシーンを映しています。また、ギングリッチ氏のパンフレットでは最初に目に入るのがクリスマスのあいさつで、馬小屋のイエス・キリスト生誕の絵が描かれています。ペリー氏の広告では、オバマ政権が公の場における信仰表明に反対していると感じているクリスチャン層にアピールするために、「ゲイが公然と兵役に就けるのに、子供たちが学校で公然とクリスマスを祝ったり祈ったりできないなら、この国は何かがおかしい」と訴えています。
各候補共に、自らが良きクリスチャンであることを前面に打ち出しています。政治家が宗教性を前面に打ち出すことに違和感を覚える日本人は少なくないと思いますが、唯物論のマルクス主義の国を除いて、世界では無神論者は信用されない傾向にあるのです。
英国の調査会社が昨年4月に世界24カ国で行った信仰に関する意識調査で、日本では67%の人が「宗教を信じていない」と回答しています。世界の常識から言えば、これらの人は無神論者に分類されます。
日本は、戦後の唯物教育のために、信仰が表の社会から取り除かれてしまいました。しかし、世界的に見ても、信仰心を持っていることは、何ら恥かしむことではありません。
政治家にこそ、信仰心は重要です。唯物論者が奉じる「政教分離」も、政治家が信仰心を胸に政治にあたってはならないという意味ではありません。「政教分離」の意味は、戦前の反省に立って、政治が特定の宗教を弾圧しないためのものです。正しい信仰は、人を傷つけたり、嘘をついたり、物を盗むといった行為を戒めると共に、人間を謙虚になさしめ、努力や精進へ導き、自らを高めようとする努力を促します。日本人は戦後の無神論・無宗教の風潮を克服する時期にきています。
2012/01/12【日本は円高を前提とした経済戦略を】
今年に入っても、円相場は対ドル・対ユーロで高値水準が続いています。 当然、円高は日本の輸出企業にとってマイナス要因となります。
2011年の日本の貿易収支は、大震災の影響もあって、5,710億円の赤字に転落しました。
この円高のマイナス面に目とやると、今後の日本経済は先行き不安に見えますが、円高には日本にとってプラスの面もあることも見落としてはならない点です。
例えば、2011年の日本企業による海外企業のM&Aが609件、684億ドルと、前年比78%増で過去最高になりました(※)。
過去、日本企業はバブル期に、米国の映画会社やロックフェラーセンターなどを買収して、世界をジャパンマネーが席巻しましたが、昨年のM&Aはそのバブル期をしのぐ規模になっています。
ここ数年のM&Aの特徴は、国際的な競争を生き残るために、海外企業を買収してグローバルな展開を図るというもので、バブル期の象徴的な意味合いの買収とは異なり、名より実を取る企業戦略が表れています。
世界経済は、新興国のみならず米国も自国通貨を安くして、貿易で稼ぐ戦略を取ろうとしています。
しかし、日本は日銀が必要な金融緩和をしていないため、円は相対的に高くなっているのです。
これは、日銀の無策が結果的に円の強さに一役かっているといってもいいかもしれません。
確かに、急激な円高は輸出企業に悪影響を与えるので望ましくありませんが、今後の日本経済の戦略を立てる上で、円安による貿易収支の拡大といった新興国的なモデルでは、挫折する可能性が高いと思います。
日本は貿易立国というイメージがありますが、現在の日本のGDPのうち輸出依存度は16%程度と、先進国の中では最低水準です。
日本は、輸入による内需拡大など、長期トレンドとして円高傾向を前提とした戦略の組み立てが必要です。
更に、世界経済が落ち込む中で、円が国際的な基軸通貨として成長する可能性についての戦略も打ち出してはどうでしょうか。
※:トムソン・ロイター調べ
2012/01/11【日本の原発技術が、世界の資源エネルギー危機を救う】
私は紅白歌合戦が好きです。その年の出来事を歌を通して振り返ることができるからです。猪苗代湖ズの「I love you & I need you ふくしま」が耳から離れません。
そこで、今日は【日本の原発技術が、世界の資源エネルギー危機を救う】と題してブログを書いてみたいと思います。
◇米国やEUのイランに対する経済制裁強化や、それに伴うイランのホルムズ海峡封鎖への言及などを受けて、日米欧で原油先物相場が上昇しています。
福島の原発事故の影響で、感情的とまでいえる原発バッシングの結果、被災地とは関係のない原発が次々と停止し、再稼働ができない状態が続いている日本にとって、原油の供給不安は電力供給の不安に直結します。
現実問題として、原発に代わる電力供給源の確保は難しい状況です。中長期的には、再生可能エネルギーによる発電の割合を増やすことに異論はありませんが、電力供給源確保の最も着実でコストが安い方法は、原発の安全性を高めることです。
今回の原発事故を教訓として、日本の原発技術は更に進化する可能性があります。現に政府は、国内の原発は停止させる一方で、海外には原発を輸出しようとしています。実は、原発の新設を進めている米国や中国などのアジア諸国、それにトルコなどでは、日本の原発に対する期待が大きいのです。
日本は、過去のオイルショックを教訓に、省エネ技術を進歩させ、世界一のエネルギー利用効率を誇る国となっています。日本のGDP当たりの一次エネルギー供給量は、米国やEUの半分、中国の8分の1、ロシアの17分の1です(※)。もしも、世界中が日本の技術を使えば、世界のエネルギー需要は現在の3分の1程度になります。
日本は、1970年代に公害問題や石油問題を克服したように、原発事故と電力危機をテコに、新技術を開発・実用化し、省エネ・環境技術を更に進化させることができるはずです。世界では、発展途上国を中心に、原発を自国における今後の電力供給源として期待を寄せている国が数多くあります。そうした期待に応えるためにも、津波や地震対策が整った原発の再稼働を速やかに実施し、一層の原発の安全性を高める技術開発を行うべきだと考えます。
そして、日本における原発は、エネルギー源の確保と共に、潜在的な核保有国としての抑止力を高める効果があることも世界から見た事実ですから、安全保障の観点からも、たいへん重要であるという認識を持つべきではないでしょうか。
※:IEA KEY WORLD ENERGY STSTISTICS 2011より算出
2012/01/11【多くの国民が直感で白川総裁の正体に気付き始めています】
どうにも金融市場が気になって仕方がありません。米国のFRBにひきずられるようにECBの新総裁もお金の流動性を高める方向に政策の舵を切りかえるようです。日銀のバランスシートはリーマン・ショック直前に底を打ち(110兆円)、その後おっとり刀で供給を増やしてはいますが、2006年の水準(150兆円)にすら届いていません。白川総裁はお金の信任というあまり聞いたことのない言葉?を使って、就任以来の金融政策に関して、その正当性を主張してきました。確かに経済が中長期で連続したマイナス成長に陥れば、民間の金融資産が伸びなくなり、どこかの時点で国債の入札が危うくなる可能性もゼロではありません。ひょっとすれば、天文額的に膨れ上がった金融デリバティブ商品が国債などの債権市場にマイナスの影響を及ぼすかもしれません。それは、欧州のCDS(債権の保険)の例を見れば分かります。
横道に逸れるかもしれませんが、この潜在的なマイナス成長に対する将来のリスクは寧ろ海外からの先進的プロジェクトに対する投資を促進することで、完全に解消されると思っています。世界はデリバティブなどではなく、実物経済の裏づけがある投資機会を求めているのは間違いないと思います。
【以下、関連記事の引用です】
◇日銀オペ、155億ドル供給、再開後最大、根強い需要映す(マーケットウオッチャー)(日本経済新聞 朝刊 2012/01/11)◇
金融機関のドル需要が根強い。日銀が10日に実施したドル資金供給オペ(公開市場操作)への応札額は155億ドルを超え、2010年5月のドル供給オペの再開後で最大になった。中央銀行の大量のドル供給で調達金利の上昇には歯止めがかかっているが、欧州国債の相次ぐ入札や金融システム不安を背景に予防的なドル調達の動きが続いている。
▼…10日のドル資金供給では特に年度末を挟んだオペに金融機関の応札が集中した。84日物に125億5600万ドル、8日物に29億6100万ドルの応札があり、日銀が全額を落札した。(中略)
▼…それでも金融機関が市場でドル資金を自由に調達できるような状況にはほど遠い。日銀など主要中銀のドル供給オペが金融機関の資金繰りを支えている格好だ。今月下旬からは欧州で国債入札が相次ぐほか、ギリシャの総選挙などの不確定要因も少なくない。
◇日銀、国債買い取り入札実施(日本経済新聞 朝刊 2012/01/11)◇
■日銀 日銀は10日、資産買い取り基金を通じた国債の買い取り入札を実施した。3000億円の予定額に対して、9800億円の応札があり、3008億円を落札した。応札倍率は3・26倍と、前回(2011年12月16日)の4・38倍を下回った。
◇日銀の白川総裁:日本は世界的な景気減速の影響から逃れられない(1月10日ブルームバーグ)◇
日本銀行の白川方明総裁は、世界的な景気減速の影響から日本は逃れられないと指摘しながらも、その金融システムの安定度は「卓越している」と述べた。10日のロンドン大学の関連イベントで語った
◇日銀総裁:中銀の政策は時間稼ぎにすぎない-政府の改革不可欠 (1)(1月11日ブルームバーグ)◇
日銀の白川方明総裁は、金融政策が達成できることには限界があると述べ、政府が世界経済の支援に「必要な」改革を実行しなければならないとの見解を示した。
(中略)
欧州債務危機で世界経済の回復がずれ込む中、各国中銀は政策金利を過去最低水準に引き下げるとともに債券購入などの措置を講じている。白川総裁は、緩和策の延長に伴ってリターン低下のリスクがあるとはいえ、中銀が行動する必要性を減じさせるものではないと指摘した。
同総裁はさらに、円高が日本経済に短期的に打撃になるとの見方も示し、講演後の質疑応答では円が上昇している理由について、金融危機下で不人気通貨の消去法で残る通貨であるためだと答えた。
引用、以上。
【所 感】
今回も順調に消化された国債の入札状況や、ドル資金の年度末決済に向けて余裕を持って手当てを始めている状況を見ると、どう考えても危機は欧州を初めとする国外にあって、日本に忍び寄っているとは思えません。そもそも日本国債は円でしか買えないのです、機関投資家は円が危ないと判断すれば円を売って(円安)、ドルを買うはずです。それでも円を買い続けるのはデフレで実質金利が高いからです。
白川日銀総裁は消去法で残ったと言い逃れをしていますが、この発言を目にして私は目眩を覚えました。
しかし、市場は日本国債が最もリスクが低いと評価しています。これが現実です。
氏ご自身が仰ったように、更なる金融緩和により国債が下落する(金利が上昇する)リスクがあるならば、その根拠をはっきり国民に示す義務も白川氏にはあります。
そろそろ、多くの国民が直感であなたの正体に気がつき始めています!
2012/01/10【政府は邦人救出のための法整備を急げ】
1月4日のキャンベル米国務次官補の訪中で、北朝鮮情勢について「米中は朝鮮半島の平和と安定を維持していく」ということで意見が一致したとしています。
一方で、米国は選挙の年は、現職大統領の支持率が上がるので戦争が起こりやすいという分析もあります。現在、米国は北朝鮮情勢と共に、核開発を続けるイラン情勢にも神経を尖らせています。
こうした情勢の中、今回の金正日総書記の死去とそれに伴う若い金正恩氏への権力移譲に関して、大川隆法幸福実現党名誉総裁は、「『北朝鮮-終わりの始まり-』-霊的真実の衝撃-」(金正日・金正恩守護霊の霊言)の中で、「(米国は)イランと北朝鮮、どっち先やるか。オバマ大統領は予算的には両方同時にはできないので、北朝鮮の優先順位が上がったと見ていい」と、有事の際の米国の戦略を分析しています。
8日の報道では、12月末に北朝鮮は、米国に対し穀物を中心とした食糧支援を要請しましたが、米国は支援物資の軍隊への横流しを懸念して、これを拒否しています。そこで、北朝鮮は、いつもの外交カードの一つとして、軍事的挑発をエスカレートする事態も考えられます。従って、日本も朝鮮半島の有事を想定しておく必要があります。
朝鮮半島が有事に至った際、日本にとって真っ先に問題になるのは、在韓邦人の救出です。
現在、在韓邦人の数は約38,000人にのぼります。しかし、自衛隊による在韓邦人の救出に向けた法整備は全く不十分な状態です。民主党政権は、こうした認識に欠けている状態なので、有事の際は、日本政府は主体的に行動ができず、4万人近い在韓邦人の救出に右往左往するであろうことは容易に想像できます。
米国は、約85,000人もいる在韓米国人の救出を優先させるでしょうし、自衛隊による救出も、韓国の自衛隊への感情の問題がありますし、肝心の自衛隊法にも大きな問題があります。自衛隊法第八十四条の三には「当該輸送の安全について…確保されていると認めるとき」という条件が付いていますが、有事の際は“安全”であるはずがなく、そもそも安全な状況であれば、民間の輸送手段を利用すれば良いわけです。
従って、有事においても自衛隊が救出に参画できるよう、自衛隊法の改正や「朝鮮半島有事に係る在外邦人脱出に関する特別措置法」の制定、事前の韓国との取り決め等が急務です。日本人の生命・安全・財産を守ることは、日本政府の最大の責務です。政府は、朝鮮半島有事における邦人救出について、何度もシミュレーションを繰り返すと共に、迅速に法改正等に取り組むべきです。
2012/01/09【国民に増税を強いる一方で、○○○には甘い野田政権】
民主党は、消費税率の引き上げについて、自民党などに与野党協議に応じるように求めていますが、自民党は現時点では応じない姿勢を崩していません。しかし、自民党のベテラン議員を中心に、協議に応じるべきとの声が上がり始めており(※)、自民党も民主党同様に一枚岩でないことを示しています。
もともと、自民党は消費税増税そのものに関しては賛成であるので、事態の推移によっては、消費税増税を後押しするマスコミとも相まって、増税についての「大政翼賛会」が構築される可能性があります。
民主党は、国家の収入にあたる増税にのみ並々ならぬ意気込みを示していながら、収入の使い道や、出費に無駄が無いかという議論は、政権交代時の勢いとは裏腹にトーンダウンしています。
例えば、「日本は公務員天国である」という指摘に対し、民主党の公務員制度改革は???なものばかりです。実際、大和総研の「公務員人件費の国際比較2005年」によれば、日本の公務員は民間従業員の2.1倍もの報酬を得ていますし、若林亜紀著『ドロボー公務員』によれば、内閣府SNA調査に基づく一人当たりの雇用者報酬では、産業別の一人当たり平均報酬は、農林水産業が206万円、製造業522万円、金融保険657万円、公務員1,001万円となっています。
極めつけは昨冬のボーナスで、国家公務員は4.1%の増額となり、みずほ証券の調べでは国と地方の公務員のボーナス平均は76.5万円と、民間の平均額37.8万円の2倍以上となっています。しかし、民主党は、自治労や日教組といった公務公益関係の労組が支持団体であるため、肝心の「公務員改革」は表面的なものに終わっています。
国民からは、増税につぐ増税で負担が増している一方で、公務員だけは逆行しています。そして、既に、所得税と個人住民税を合わせた個人所得課税の最高税率は50%であるにもかかわらず、更に税率を上げようとしています。
憲法は『私有財産の不可侵』(憲法29条1項)を謳います。これは公務員に対して言っているわけであって、公務員は国民の私有財産を侵してはならないはずです。これは憲法13条の『個人の尊重や幸福追求の権利の尊重』にもあたります。50%を超える個人所得税率は憲法18条で禁じる『奴隷的拘束』に近く、ハイエクの言う『隷従への道』につながります。
野田政権が目指す「大きな政府」は国民を幸福にはしません。「大きな政府」がもたらすものは、経済の更なる落ち込みと、貧しさの平等であり、活力のない社会です。
よって、公務員を守るための増税に対しては疑問です。
※:1月7日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120107-OYT1T00273.htm
2012/01/09【所得税の最高税率アップは、なぜダメなのか】
経済成長による税収増を図るのではなく、不況下での増税に向けて異常ともいえる執念を見せる野田首相ですが、焦点の当たっている消費税の増税の他に、所得税の増税も検討しています。
民主党は先の税制調査会と一体改革調査会の合同総会で、所得税や相続税の最高税率を上げるなど富裕層を対象にした増税も了承しました。
具体的には、所得税の最高税率を現状の40%から45%に引き上げることを検討しています。
一見、もっともと思われるこの「一般の人よりも、お金を持っている人からどんどん取ってしまえ」という発想は、実は国の発展にはつながらず、衰退の道につながっているのです。
なぜならば、この所得の再分配機能の強化は、人の何倍も働き、長年努力してきた高所得者の働く意欲を失わせると同時に、低所得者に対しても「働かなくてもそこそこはもらえる」といった具合に働く意欲を失わせます。
その結果、富裕層が、税金の安い香港やシンガポールに移住する「資本逃避」が現実となり、一段と税収が下がります。多額の税金を納めている人をいじめても、中長期的には国富は増えないのです。
しかし、こうした所得の再分配の危険性を理解していないと、高所得者の人口比は小さいので、選挙の際に、高所得者の課税強化を訴える候補が有利になりがちです。
野田首相は、まさにこの論理で、低所得者に負担の大きい消費税増税の批判を緩和するために、迎合主義的に所得税の最高税率を上げることを狙っているのです。
裕福層を狙った課税は、まさに社会主義の考え方そのものです。
保守の顔をしている野田首相は、実はマルクスが『共産党宣言』で打ち出した「強度の累進課税」と発想が同じなのです。
日本は既に、所得税と個人住民税を合わせた個人所得課税の最高税率は50%であり、政界有数の高い税率です。これでは、憲法で禁じられた個人資産の略奪の疑いさえあります。
英国のサッチャー元首相は「お金持ちを貧乏にしても、貧乏な人はお金持ちになりません」と言い切り、福祉国家路線を大きく転換し、自由な競争社会に改革することで、「英国病」とまで言われた英国の国力を復活させました。
今の日本も、目指すべきは、「富の分配」ではなく、「富の創造」なのです。





