4月
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「いじめ防止」タウンミーティングにて

4月25日「いじめから子供を守ろう!ネットワーク兵庫タウンミーティング」での発表内容をご紹介致します。

法的整備によって、深刻化する「いじめ」という犯罪行為を止める為の方策を提案致します。題して、「いじめ防止条例」「いじめ防止法」と呼びます。なぜ、「いじめ防止条例・防止法」は必要なのかです。

●いじめが起きているのは「学校」という外部から目が届かない場所です。以前、いじめ経験者といじめ目撃者を対象に、どこでいじめを経験 あるいは目撃したか、というアンケートをとったところ(複数回答もありますが)、99%が学校です。続いてインターネットの掲示板、塾・習い事の教室で、と続きます。

よって、外部からの目が届かない場所でいじめが止まらないならば、ルールが必要だということです。

●ルールの内容は、この後ご説明しますが、ルールをつくる目的は何なのかを確認しなければいけません。それは、「いじめは悪いことだと教えること」です。これを教えないので、学校内でのいじめは止まりません。文科省の発表数でも2006年で12万4898件です。

●この「いじめは悪いことだと教えること」の効果を考えてみます。70年代から80年代に、学校内が暴力で吹き荒れたアメリカ・カナダ。映画でも「暴力教室」等がヒットするほどの社会現象に陥っていました。その後、いじめ防止プログラムの立法化によって、両国において、いじめ防止プログラムを実施した結果、20%~70%と幅はありますが、いじめが減少したという顕著な実績が報告されています。この「反いじめ法」をアメリカ国内では、全州72%にあたる36州が制定しています。

●制定のきっかけは、コロンバイン、バークレーでの銃乱射事件でした。この最悪の事件の犯人が「いじめ被害者」だったからです。この報告が、NHKBSドキュメンタリー「シリーズ 世界はこうしていじめと闘う」と題して放映されました。

一方、日本を見てみます。北海道で母親の目の前で女子大学生が同級生の男子生徒に刺殺された事件では、この容疑者が中学生時代にいじめ被害者で、時折当時のことを思い出すと錯乱状態に陥っていたと報告されています。この事件時にも、同様の症状だったとのことです。また、九州でのバスハイジャック事件の容疑者もいじめ被害者であったことが、報道されていました。

事件の原因を突き止め、事件防止の為にアメリカは法制化をしましたが、日本では時が過ぎれば対策を打たないままで忘れさられていきました。悲惨な事件を未然に防止するという観点からも、いじめ防止条例・防止法の制定は必要であります。

●いじめが悪質で犯罪性を帯びたものになっています。いじめによる致死事件、自殺問題、当事者の精神的負担を未然に防ぐために、学校にルールが必要です。子供たちの心と生命を守るために、「学校現場」において、「いじめ防止条例・防止法」が必要であると考えます。

●続いて、「いじめ防止条例・防止法」の具体的内容についてご紹介します。

①自治体、学校、教職員、保護者は、「いじめは犯罪。いじめは絶対ゆるさない」ことを宣言し、繰り返し伝え続ける。

②いじめの予防・いじめの早期発見・早期解決の義務(安全配慮義務)があることを宣言する。

③いじめを訴えた子の目線で救済すること。

④いじめ加害生徒には、悪質さに応じた処分をすること。

⑤学校は、定期的にいじめのアンケートをとること。

⑥学校に、いじめの対策委員会等のチームを構築し対応すること。

⑦教職員向けいじめ対策研修の実施。

⑧生徒向けにいじめ防止教育の実施。

⑨保護者向けにいじめ対策・いじめ防止教育の実施。

⑩学校・教職員がいじめに加わったり、隠蔽などした場合の罰則を設ける。

●この中で「罰則」という言葉がありましたが、盛り込む必要があるものは次の通りです。

加害者への罰則例を挙げます。

①きちんと謝罪させる。罰則以前のしつけです。②授業中、教室内に起立させる。

③居残りで反省文・謝罪の手紙を書かせる。④清掃活動。⑤別室登校。⑥出席停止。

以上、いじめの程度に応じた段階的な罰則です。

 ● ちなみに、先程ご紹介したアメリカ・ペンシルバニア州における加害者への罰則例をご紹介します。①ランチ謹慎(別室にして、私語禁止の上、教師と食事)②居残り研修(放課後、教師の前で謝罪の手紙を書く等)③校内謹慎。④停学。⑤退学。となっています。先生の前での食事や謝罪の手紙を盛り込んであるところが、アメリカでは先生に対する畏怖の念が残っていることが伺えますね。

 ●それでは、隠蔽を図った教師・学校・教育委員会に対する罰則例を挙げます。この「学校という聖域」に唯一入ることのできる大人の協力が必要です。しかし、残念なことに、いじめの深刻化の背景には、「隠蔽」が影を潜めていることも少なくありません。そこで、

①安全配慮義務を故意に履行しなかった者、義務の履行を妨げた者に罰金を科す。

②いじめを認識しながら、指導・調査・報告をしなかった者、指導・調査・報告を妨げた者に罰金を科す。

以上も盛り込む必要があると考えます。

●では、「いじめ防止」の法令化の必要性を訴えて参りましたが、このような法令化で効果があった例として、①ストーカー防止条例(ストーカー規制法)。②DV防止法。③セクハラ防止が男女雇用均等法第11条に条文化。

 また、「いじめ防止条例」についても、2009年1月埼玉県・自民党県議団「いじめ防止プロジェクトチームが「県いじめ防止(推進)条例」の素案をまとめたという新聞記事が報じられました。

●これからも、子供たちの心と生命を守るために、「学校現場」において、いじめが悪いことだと教えること、いじめを止めるための法制化を訴えて参りたいと考えます。ありがとうございました。