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2018/11/04【救出に備え選択肢を増やすべきでは?】

 シリアで人質になっていたフリージャーナリストの安田順平氏が記者会見を行いました。

 記者会見前は、リベラルなマスコミを中心に、今回の件を「自己責任」という言葉で片付けるなという論調が多かったように思います。

 自己責任の名のもとに取材を委縮させないために、ある意味でマスコミとしては当然の反応かもしれません。
 

 しかし、当の安田氏本人は記者会見で自己責任を明言しました。

 結果の責任は自らが負うというプロのジャーナリストとしての気概を感じます。
 

 一方で、日本の大手マスコミの記者が危険な現場で取材したという話はあまり聞きません。

 危険を冒して取材をするのはほとんどがフリージャーナリストと呼ばれる人たちです。

 彼らは、スクープを当てて一旗あげたいというよりは、強い使命感から行動しているとされます。
 

 今回の人質解放に当たっては、日本政府は否定しているものの、身代金の支払いがあったことが公前の秘密となっています。

 このままでは、日本人は金払いのいい格好の人質として標的になる機会が増えてしまいます。
 

 ですから、日本はいざとなれば強硬手段により人質の奪還も辞さない国であることを海外に示す必要があります。

 日本は海外派兵しない国だから、日本人は紛争地域でも安全に取材できると言われてきましたが、現実はそう甘くないらしいことが分かってきました。
 

 リベラルなマスコミは自衛隊の海外派兵に批判的ですが、今回のように「勇気あるジャーナリストを自己責任という言葉で片づけてならない」と訴える一方で、万一の際に救出に当たる日本政府の選択肢を増やすように声を上げなければ筋が通らないのではないでしょうか。