米国の超党派の有識者グループが、日米の安全保障面での更なる連携強化を求める提言をまとめました(※)。
提言では、米軍の海外前方展開の価値に疑問を抱いているトランプ政権下で日米同盟の未来が不透明になる一方で、中国などの脅威は増しているとの危機感を示しています。
確かに、トランプ大統領の言動からはそうした見方もできるかもしれませんが、トランプ大統領は、同盟の価値を疑問視しているというよりは、同盟国が応分の負担をしていないとの認識ではないでしょうか。
また、中国の脅威の増大は、米国の歴代政権が中国という一党独裁国家の台頭に寛容で、軍拡の原資となる経済発展を後押ししたことに原因があります。
こしうした背景を踏まえて、トランプ大統領は、むしろその脅威の根本を断つために、中国に経済戦争を仕掛けていると見ることができます。
ただ、日本の出方次第では、米国がアジアから引いていくことも考えられます。
現在の日本にとって日米同盟は死活的に重要ですから、そうならないように日米同盟の強化に努めると同時に、万一のために自主防衛力の強化も必要です。
今回の提言は、別の見方をすれば、‟日本の自主防衛力強化の勧め”ともとれるのではないでしょうか。
※:10月4日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20181004/k10011657591000.html