日本は被爆国として、安全保障を米国の核の傘に頼るべきではないという考え方があります。
これは、日本が米国の核の傘から出て独自に核装備するということではなく、核に頼らずに安全保障を確立するというものです。
その考え方には、平和外交を進めれば、核保有国が非保有国に対して核兵器を使用することは無いとの判断があるようです。
しかし、中国は、最近、核の先制不使用の方針を転換し、通常兵器同士による戦闘でも、不利になれば核兵器の使用も辞さないとする見解が軍部で浮上しているとの報道があります(※)。
つまり、核の先制使用も選択肢に入っているということです。
ですから、例え日本が中国に対し通常兵器でどんなに優位に立とうとも、最終的に核攻撃で状況を一変することができるということです。
しかも、日本が米国の核の傘から出てしまえば、中国の核先制使用の判断のハードルは更に下がると同時に、威嚇効果も高まります。
日本の置かれた安全保障環境は、ますます核装備抜きでは成り立たないようになっているのではないでしょうか。
※:8月27日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/180827/wor1808270012-n1.html