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2018/05/10【核合意から離脱する米国の理由は】

 トランプ大統領は、イランの核合意から離脱し、イランに対する制裁を強化すると発表しました。

 今回の米国の対応には、核合意に参加した各国のみならず、多くの国から批判の声が上がっています。
 

 イランの核合意は、約10年の歳月を費やしてようやく合意したものですが、長年、核兵器開発の疑いを持たれているイランが、このまま何ら国際的な制約が無ければいずれ核保有に繋がってしまうとして、イランを含む各国が飲める形でとりあえず合意した感があることは否めません。
 

 
 ですから、現在の核合意ではイランの核開発を止められないとするトランプ大統領の主張にも一理あるのです。

 実際、北朝鮮も過去2度、核兵器開発に関する国際的な合意をしながら、国際社会を欺き秘密裏に核兵器開発を続け、兵器級の核爆弾の開発にまでこぎつけた前例があります。

 しかも、イランは現在も弾道ミサイルの開発を続けていますが、弾道ミサイル開発は核合意に含まれていません。

 しかし、核兵器と弾道ミサイルの開発はセットと考えるべきものであり、その弾道ミサイルの開発には、北朝鮮が技術協力していることが濃厚なのです。

 もしかすると、核開発にも北朝鮮の技術が使われているかもしれません。
 

 こうした背景から、「トランプ大統領はイランの対する嫌悪感からわがままで核合意を破棄したとの言い方をされることがあります」が、そうでないことが分かります。
 

 今回のトランプ大統領による核合意からの離脱は、米朝首脳会談を前に北朝鮮に対する強力なメッセージとも言えます。

 国際世論の言うような「米国は約束を守らない国」ではなく、米国政府の本心は「時間稼ぎのための偽りの合意は許さない」ということではないでしょうか。