2月
01

2018/02/01【単年度予算の再考を】

 間もなく来年度予算案が衆議院予算委員会で審議入りする見通しです。

 毎年、国の予算は、3分の1以上を国債で賄うという状況が続いています。

 その結果、国債や国の借入金などの累積は1千兆円にも上り、赤ちゃんからお年寄りまで国民1人当たり8百万円以上もの借金を背負っている計算になるとして、野党やマスコミからの批判が続いています。

 私は、借金が全て悪であるとは考えませんし、その理由は、将来に利益を生むものへの投資は善であり、借金も返済することができるからです。

 しかし、長年の日本の財政は、投資に見合ったリターンを生んでいるとは言えない状況であり、企業や家計で考えれば、全体の収入に対して身の丈に合った支出ができていないということになります。
 

 また、国債の購入者の多くは日本国民ですから、国民はむしろ債権者であり、国が債務者ということになります。

 ですから、与野党を問わず国会議員1人当たり1兆4千億円余りの借金を抱えていることになります。
 

 このように財政規律が緩んでいる要因の一つには、単年度予算制があると言われています。

 単年度予算は、予算をその年度の内に消化するために必要性の低い事業も実施する温床になっていると考えられるので、単年度制の廃止や複数年を一つの会計年度とする制度の導入などを検討すべきではないでしょうか。

 今国会では、憲法改正が注目を集めていますが、一般に単年度予算の根拠は憲法86条に求められるので、こちらの議論も進める余地があると考えます。