長年、強圧的な独裁政治が続いているアフリカのジンバブエから、クーデターの一報が届きました。
絶対的な権力を維持してきたジンバブエのムガベ大統領は、93歳と高齢であることから、後継者争いが表面化しており、今回のクーデターでは軍が政権を掌握した模様です。
ムガベ氏は、人権活動家や反体制派を弾圧し、権力を維持する一方で、自国がアフリカ最貧国の一つに数えられ国民が疲弊しているにも関わらず、自身は贅沢三昧な生活を送っていると伝えられています。
こうしたムガベ氏を支援している国の一つが、戦略的にアフリカでの影響力を高めてきた中国です。
中国は、相手国の政治体制や人権状況に対しては口を出さずに、その国の権力者を支援してきました。
ジンバブエでは、大統領宮殿が中国の支援のもとに建てられたことがそれを象徴しています。
もちろん日本政府も、ジンバブエに対しODAなどによる援助を行ってきましたが、国連と協力した人道支援が中心です。
ジンバブエの国民は、政治的にも経済的にも長年苦しんでいますが、ムガベ氏は欧米による批判に耳を傾けてきませんでした。
ですから、ある意味で中国は、ジンバブエの圧政に加担してきたと言えるかもしれません。
今回のクーデターで、人権状況が改善されるのか、それとも強権的な政治が続いてしまうのかは分かりませんが、是非、国民の生活が改善されることを願います。
また、こうした中国の外国支援のあり方が、国連常任理事国として相応しいのか、国連の場で検討すべきではないでしょうか。