台湾の蔡英文総統は、中南米訪問の途中、経由地である米国で、共和党の有力国会議員らと会談しました。
これに対し中国は、蔡氏との会談を拒否するよう求めるなどして、神経を尖らせています。
先月は、トランプ次期大統領が蔡氏と電話会談を行い、中国は露骨に不快感を示し、南シナ海や東シナ海などで軍事的な示威行動を活発化させています。
こうした中国の動きから、台湾との関係構築が、中国に対する外交カードとして利用できることが分かります。
トランプ氏は、こうしたことを理解しており、中国との交渉を有利に展開したいとの思惑があるのかもしれません。
日本も、台湾との公式な外交関係の再開を目指すべきだと考えます。
その過程で、中国は威嚇の度合いを高めてくると思いますが、付け入る隙を与えないために、しっかりとした防衛体制を構築する必要があります。
特にトランプ氏の大統領就任で、場合によっては米中の軍事衝突も念頭に置いておく必要があります。
政府が、夏までに策定するとされている中国との有事を想定した「統合防衛戦略」(※)は、前倒しするとともに、より多岐にわたるシナリオを想定しておく必要があるのではないでしょか。
※:1月6日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170105-OYT1T50188.html?from=ysns_ytop