12月
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2014/12/20【台湾を見捨てない日本であれ】

 米国は台湾へフリゲート艦4隻の売却を決めました(※)。
これに対し中国は、米国を激しく非難しています。

 御存じの通り中国は、近年、急速に軍拡を進めており、台湾は海軍力でも中国に対し劣勢に立たされつつあります。
こうした事情から台湾は、米国に対し海軍力増強への支援を求めていたものです。

 しかし、今回売却が決まったフリゲート艦は、いずれも艦齢が30年にも達する中古艦です。
現代では明確な区分は無くなりましたが、フリゲート艦とは、一般に駆逐艦よりも小型の艦種です。
台湾は、米国に対しより戦闘力の高い駆逐艦の供与を打診していたようですが、オバマ大統領は中国への配慮から今回の決定に至ったと考えられます。

 オバマ大統領は台湾防衛の意思を示しつつも、今回の決定が台湾の実質的な国防力向上にどの程度寄与するのか大いに疑問が残ります。
 

 台湾は、日本のシーレーン防衛上、死活的に重要な位置にあります。
日本では先ごろ防衛装備・技術の移転に関する有識者検討会が初めて開かれましたが、米国が台湾防衛に十分な装備を供与しないのであれば、日本が台湾へ防衛協力することも検討すべき時に来ているのではないでしょうか。

 過去の日本は、日中国交回復の過程で台湾を事実上見捨てましたが、これからの日本は、アジアにおける自由と民主主義を守るリーダー国家として、また、台湾の旧宗主国として、責務を果たしていくべきと考えます。

※:12月18日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/141219/wor1412190028-n1.html