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2014/07/07【ドイツまでもが中国にお墨付きを与えることに】

 ドイツのメルケル首相が訪中し、李克強首相と会談し、その後、習近平主席とも会談する予定です。
会談後の共同記者会見で、李首相は盧溝橋事件に言及して日本を批判しました。

 メルケル首相の訪中は、首相就任後、今回で7回目となり、中国重視の姿勢が際立ちます。
今回の訪中でも、ドイツと中国の間で数千億円規模の契約が結ばれる見通しであり、ドイツとしては世界第2位の経済規模となった中国との結び付きを強め、比較的堅調なドイツ経済を維持したい思惑があるからです。

 一方で、対外的には威圧的な海洋進出で周辺諸国と緊張を生じさせ、国内的には人権弾圧を強める中国に対し、メルケル首相は、遠回しに人権問題の改善などを訴えたのみに留まりました(※)。

 こうしたドイツの態度は、中国に対し、現在の中国の外交姿勢が功を奏しているとの認識を与えてしまうことになります。
英国に続いてドイツまでもが、民主主義や自由の価値観を横において、経済を重視するような態度を取ることはたいへん残念です。

 むしろ、民主主義の価値を重んじる先進国であるならば、「不透明な軍拡をやめて、中国共産党の裁量一つで左右される人権状況を改善しない限り、経済的な発展は無い」ということを理解させるべく強い態度で接するべきではないでしょうか。

※:7月7日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20140707/k10015808521000.html