先月と今月の2度にわたって、東シナ海で監視飛行をしていた自衛隊機に対し、国際常識を無視して異常接近した中国軍の戦闘機は、Su-27と言われる機体です。
Su-27は旧ソ連で開発された機体で、様々な派生型が存在しますが、一部で航空自衛隊の主力戦闘機であるF-15に比類する能力があると見られています。
中国軍はこうした高性能の機体に加えて、能力向上型のSu-27の調達を進めているとともに、独自開発中のステルス戦闘機の数年内の実戦配備を目指していると考えられています。
これに対し自衛隊は、旧式化したF-4戦闘機の代替えとして、米国が中心となって開発を進めているステルス戦闘機F-35の調達を決めています。
更に自衛隊では、F-15の内で調達年次が古い機体をF-35に置き換えることも検討しているとされ、これが実現すればF-35が名実ともに日本の次期主力戦闘機ということになります。
F-35は膨大な開発コストを掛けた非常に高性能な機体ですが、予てからF-35に関連した機密情報が中国などに漏れているとの指摘があります。
6月13日付の日本経済新聞によると、米国のセキュリティ会社の話として、F-35に関する研究開発資料の9割が盗み出され中国側に渡っているとしています。
これが事実であれば、今後、F-35を主力とした自衛隊が、中国に対し航空優勢を維持して行けるのか不安が残ります。
従って、日本としては、F-35以外の戦闘機の導入を前倒しで検討すべきではないでしょうか。
具体的にはF-1やF-2に続く国産戦闘機F-3の開発です。
同時に、中国によるサイバー空間などでの諜報活動に対する警戒も一層強める必要があります。