【中国が先制攻撃戦略…嘉手納、普天間も対象か】2011年6月20日 読売より
中国人民解放軍が、敵の戦闘機が飛び立つ前に高性能な弾道ミサイルで敵基地の滑走路などを先制攻撃する軍事ドクトリン(基本政策)を新たに取り入れたと、米空軍が資金提供した米専門家グループが報告していたことがわかった。
中国の弾道ミサイル開発はこれまで、米空母などの接近を阻止する防御的な意味合いが強調されていたが、より攻撃的な使い道を想定していることがうかがえる。
専門家グループは台湾有事の際には、沖縄の米空軍嘉手納基地、海兵隊普天間飛行場、航空自衛隊那覇基地の3か所がこうした先制攻撃の対象になるとも指摘している。
報告書は、米空軍と関係が深い団体「ランド研究所」が2月に発表した「天を揺らし、地を裂く21世紀における中国空軍の行動概念」。中国語の堪能な米専門家が、中国国防大学の教科書や中国軍高官の講演などを読み込み、まとめた。
引用、以上。
現在の中国の代表的な戦略目標は「自国の核心的利益を侵されない」というものであり、これを達成するためには中国が攻撃的な手段に訴える可能性は十分にあると言えます。
現在、問題になっているベトナムやフィリピンとの間における南シナ海の領有権問題も、中国の「核心的利益」の一つを構成しているため、軍事的な手段を使って相手国を恫喝するという手段に訴えています。
中国の「先制攻撃戦略」、南シナ海の領有権問題、二つの問題の根っこは、中国の「核心的利益」を考えることによって理解できます。
前者における利益は自国の安全の確保であり、後者は自国の資源の確保です。
中国が弾道ミサイルで先制攻撃をかけようとしている基地は、万が一、有事になった際に中国本土を攻撃できる位置にある基地です。
この記事からは、弾道ミサイルが通常弾頭なのか、核弾頭なのかははっきりしていませんが、核弾頭による攻撃も視野に入れておくべきでしょう。
中国は今のところは「核ミサイルによる先制攻撃をしない」と言明していますが、自国の安全の確保という目的からして、この核ミサイル先制不使用は口約束以外の何物でもない可能性は非常に高いと考えることができます。
当面の間、南シナ海問題や日本近海の通過などの中国の動きを冷静に見ていく必要があります。
また、今回の記事を受け、左翼勢力が「米軍基地があると狙われる」として米軍基地排斥運動を盛り上げる危険性がありますが、それは本末転倒で、米軍基地が無くなれば「抑止力」が失われ、沖縄や日本全体が狙われることは言うまでもありません。