【普天間固定化、一段と現実味=「日米合意」の矛盾突く-上院法案】2011年6月18日 時事より
米上院軍事委員会が、行き詰まった沖縄県の米軍普天間飛行場移設計画の見直しを求め、セットとなっている在沖縄海兵隊グアム移転予算の計上を認めない国防権限法案を取りまとめた。
実現の見込みがないにもかかわらず、日米両政府が現行合意にしがみつく矛盾を正面から指摘した内容だが、現実的な代替案はなく、事態は現状固定化にまっしぐらに進んでいる。
「履行できないのに履行できるふりをすることは無意味だ」。同委のレビン委員長(民主党)は17日の記者会見でこう主張し、在日米軍再編計画を「幻想だ」と切って捨てた。
グアム移転費は、上下両院の軍事、歳出両委員会が関与する。下院の両委員会はオバマ政権の予算要求を満額承認。
上院歳出委員会の結論はまだ出ておらず、今回の法案が議会側の統一見解となるかは不透明だ。
ただ、巨額の財政赤字を抱える米国では国防予算の削減圧力がとりわけ強い。
レビン氏がこの日の会見で強調した「本音で言うなら、現行計画はコストが高すぎる」との認識は、議会内で広く共有されている。
普天間問題をめぐっては、日米両政府は21日の担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で移設計画を固め、「進展」があったように体裁を整える姿勢。
しかし、沖縄県の仲井真弘多知事は県外移設を公約し、完全に暗礁に乗り上げている。
レビン氏らが提言した嘉手納基地統合は過去に何度も取り上げられ、その都度消えた案。元米政府高官は「(同案に)転換するなら驚き」と語る。
上院の国防権限法案も「実現可能性の検討」を求めたにとどまる。
日米両政府は既に、普天間移設とグアム移転の2014年完了を断念した。
地元だけでなく両政府も「最悪の事態」と呼ぶ現飛行場の継続使用を避ける手だては見つかっていない。
引用、以上。
米上院軍事委員会は在沖縄海兵隊グアム移転予算の計上を認めない国防権限法案を取りまとめました。
地元沖縄の反対によって、泥沼化してしまった普天間基地移設を初めとする米軍再編(トランスフォーメーション)は、嘉手納統合案も含めて更なる迷走の度合いを強めて来ました。
その理由は、普天間飛行場の移設先決定で日本が大幅に遅れているためです。
これは全て民主党政権と地元責任者である仲井真県知事の責任です。
巨額の財政赤字を抱える米国では国防予算の削減圧力がとりわけ強く、米上院軍事委員会が、普天間基地移設に何の目途も立っていない段階で、移転予算の計上を認めないことは避けられない現実です。
今回、上院の軍事委員会が予算案の承認を盾に「嘉手納統合案」の検討を求めましたが、「嘉手納基地統合」は地元の反対が強く、米軍の運用上も非現実的です。
このままでは、結果的に、住宅街に囲まれた普天間基地の固定化は避けられず、普天間基地周辺の沖縄県民にとっても、飛行の安全に細心の注意を注いでいる米軍にとっても厳しい事態が続きます。
(記事には普天間基地の固定化は両国政府にとっての「最悪の事態」とありますが、両国にとって「最悪の事態」は、左翼が主張している米軍基地の沖縄からの撤退です。)
日本政府がリーダーシップを発揮し、周囲を海に囲まれた辺野古地区へ、普天間基地のいち早く移設すべきです。菅政権になっても、何ひとつ移設が進展しないまま、一年が経ちました。
何事もあいまいにするのが、政権維持のコツだと思っている菅首相は、何一つ仕事をしていません。
いるのか、いないのかさえ確認されていない「ジュゴンを守る」ために、辺野古移設を拒否し、日米同盟を破綻させるのは愚の骨頂です。