【消費税10%案、6月に決定…首相方針】2011年5月30日 読売より
菅首相は29日、6月下旬にまとめる社会保障と税の一体改革案の中で、焦点の消費税率引き上げ幅や引き上げ時期を最終調整するため、政府と与党幹部による「コア(中核)メンバー会議」を設置する方針を固めた。
来週中に初会合を開き、4回程度の協議を経て6月中旬にも、2015年までに現行税率を5%引き上げて10%にする案を決定する方向だ。
「コアメンバー会議」は、「政府・与党社会保障改革検討本部」(本部長・菅首相)の下部組織として設置する。
首相をトップとし、枝野官房長官、与謝野経済財政相ら関係閣僚や、民主党の岡田幹事長、輿石東参院議員会長、国民新党の亀井亜紀子政調会長ら16人が参加する予定だ。
同本部の下には、有識者13人らが参加する「社会保障改革に関する集中検討会議」(議長・菅首相)が置かれているが、6月2日に社会保障改革の原案をまとめた段階で役割を終える。
原案にはパートや派遣社員らへの厚生年金の適用拡大や、低所得者の基礎年金加算などの新対策を盛り込み、15年に消費税収の1%分に相当する2.5兆円余りの追加財源が求められるとの試算を提示する予定だ。
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【消費増税、段階的に=上げ幅3%検討、来年度視野-検討会議】2011年5月30日 時事より
内閣府と財務省は30日、社会保障改革に関する集中検討会議に、消費増税に伴う課題をまとめた調査報告書を提出した。
前回会議で、年金・医療・介護の経費として2015年に10%の税率が必要と試算された消費税について、段階的引き上げが望ましいと指摘。
財務省は英国やドイツの例を挙げ、税率を1回で2.5~3%上げることを検討課題に掲げた。
引き上げ時期は「景気が成熟する前、勢いのある段階」(内閣府)にすべきだとし、東日本大震災の復興需要で景気の急回復が見込める来年度の増税を視野に入れた。
内閣府は、1997年の消費税引き上げの影響も検証。
消費増税が景気悪化を招いたとされるが、同年のアジア通貨危機と金融システム不安の影響に触れながらも、当時の消費動向などを踏まえ「景気後退の『主因』であると考えるのは困難」(内閣府)との見解を示した。
消費増税が経済に与える影響については「増税や負担増が必ずしも景気後退を招くわけではない」(内閣府)と強調。
海外では経済がデフレギャップ(供給超過)の状態でも税率を上げた国が多いとし、景気が悪くても増税は可能との認識も示した。
引用、以上。
「元気な日本を不幸にする」菅政権は、次には「復興増税」を使って、更に日本を潰す気でしょうか?
政府は6月にまとめる「社会保障と税の一体改革」の報告書で打ち出す消費税率の引き上げについて、2015年(平成27年度)までに3%と2%の2段階で計5%引き上げることを検討しています。
増税による消費の大幅な落ち込みで景気が悪化する恐れがあるため、1回の引き上げ幅を抑え、経済への打撃を軽減する狙いがあるとのことです。
しかし、たとえ3%の引き上げであろうと、1997年の消費税2%引き上げでさえ、消費景気を落ち込ませ、トータルの税収を減らしています。
「97年から98年にかけて緊縮財政をやり、国民に迷惑をかけた」として橋本龍太郎が謝罪した経済大失政と同じことを繰り返すつもりなのでしょうか?
「社会保障改革に関する集中検討会議」が出した「景気が悪くても増税は可能との認識」は余りにも経済が分かっていません。
日本は震災前からデフレ・景気低迷が続いていた上に、震災で生産設備・生産チェーンがストップしており、また福島原発事故や浜岡原発停止で全国的に電力が不足し、自粛・節約モードも浸透している中で、増税、特に消費増税を行えば、GDPの6割を占める消費が激減し、日本経済は壊滅的状況となり、二度と立ち直れません。
2010年6月25日付朝日新聞には、米国を代表する経済学者レスター・サロー氏(マサチューセッツ工科大学名誉教授72歳)が、物価が持続的に下落するデフレ状態の日本において消費増税が議論されていることについて「クレージーだ。消費が減るだけで不況を永遠に引きずることになる」と指摘しています。
菅政権も、「社会保障改革に関する集中検討会議」も、財務省も、また、それを持ち上げるマスコミも「クレイジー」と言わざるを得ません。
政府は議論すべき優先順位を完全に間違えています。
政府は迅速、かつ大規模な復興を実現し、一刻も早く日本経済を甦らせ、経済成長による税収増を目指すべきです。