10月の消費増税を前に、小規模・零細企業の経営者から悩みの声が聞かれます。
それは思うように消費増税分を販売価格に転嫁できないというものです。
例えば、製造業であれば、原材料を購入する際に消費増税分が上乗せされますが、下請け企業の場合、元請け企業に納入する際になかなか額面通りに値上げを認めてもらえないというのです。
政府は、大手企業に対し、消費増税のしわ寄せが下請け企業に及ばないように適正に対処するように求めていますが、罰則規定がある訳ではありませんし、そもそも下請け企業が仕入れの際にかかった増税分が製品価格の何%を占めるのか、元受企業に厳密に示すこと自体が難しいという話を聞きます。
一方、大手企業は、その多くが輸出企業ですが、輸出した製品の製造の際に掛かった消費税分は、還付金として戻ってくる仕組みがあり、少なくとも輸出分に関しては、消費増税分はきっちり手元に戻ります。
これに対し、小規模・零細企業は、そのほとんどが直接輸出している訳ではないので、こうした仕組みの恩恵に浴することほとんどないのではないでしょうか。
このように消費増税のしわ寄せは、政府の呼びかけに反して中小零細企業に集中する恐れがあります。
こうした不安を払拭して日本経済を支える小規模・零細企業を元気にするには、消費減税を行うとともに、大中小の規模を問わず法人減税を実施して民間の力を最大限に発揮できる環境を整える必要があると考えます。