3月
25

2019/03/23【寡占企業に驕りは無いのか】

 大手、航空機メーカー「ボーイング」が揺れています。

 わずか半年に満たない間に、経営の屋台骨を支えると見られていた最新の旅客機「737MAX」2機が、高い類似性を示す事故で墜落したからです。

 その影響は、早速、ボーイングの株価大幅下落という形で表れていますし、実際に購入キャンセルの話も出ています。

 

 ここ数年、ボーイングを巡っては、様々な事件事故が起きています。

 日本でも、昨年、陸自の戦闘ヘリ「AH-64」が、ボーイング社で修理した部品が破断して墜落するという事故を起こしましたが、根本的な原因は未だにはっきりしていません。

 また、5年前にマレーシア航空のボーイング製大型旅客機「777」が行方不明となりましたが、未だに墜落場所を確定できず、航空史上、最大のミステリーと言われています。

 この事故を巡っては、当該機のボーイングでの修理歴が明らかになっており、この修理が行方不明と関連があるのではないかと取り沙汰されています。

 御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機の事故を想起させるものです。

 こうしたことから、ボーイングが当局と結託して事故を隠蔽したのではないかとの噂まであります。
 

 この他にも、ボーイングが関連する事故や不具合が幾つも報告されています。

 今回の事故は、ボーイングに非があると確定した訳ではありませんが、寡占状態にある大企業の驕りが出たのだとしたら、反省して改める必要があります。

 奇しくも、今回の事故は中国との貿易戦争の只中で起きました。

 航空機が重要な輸出品である米国にとって、中国に付け入る隙を与えてしまっています。

 同じ航空機という点では、中国による米国製旅客機購入を維持するために、台湾が求めている米国製戦闘機の売却見送りが取引条件になる懸念さえあります。

 ですから、ボーイングには旅客の安全確保だけでなく、政治的な駆け引きに利用されないよう、米国を代表する大手企業として慎重かつ適切な対応が求められます。