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2019/03/22【現代の塚原卜伝】

 イチロー選手が現役引退を表明しました。

 50歳までMLB現役を公言していたイチロー選手だけに、信じたくないという気持ちと、遂に来るべき時が来たという気持ちが交錯し、複雑な思いになりました。

 スポーツ観戦で明日への活力を取り戻す人は多いと思います。

 中でも、イチロー選手の活躍は、野球ファンの枠を越えて多くの人に感動や勇気を与えたのではないでしょうか。
 

 これだけ実績を築き上げてきたイチロー選手だけに、発する言葉には重みがあります。

 引退の記者会見で印象的だったのは、「野球は楽しくなかった」という言葉です。

 楽しかったのは、プロに入って1軍と2軍との間を行ったり来たりしていた1、2年の頃までで、その後は苦しかった告白しています。

 それだけ重圧と戦いながら、自分を律して能力を高める厳しい努力を積み重ねてきたということでしょう。
 

 一方で、野球をとても愛しているとも告白しています。

 昨今では、「仕事は楽しむことが大切だ」とする風潮がありますが、大を成すには「楽しむ」ということよりも、何よりも「愛して」とことん突き詰める姿勢こそが大切であることを示唆しているのではないでしょうか。
 

 また、イチロー選手は過去に「野球のために命を削る覚悟がある」と話したことがあります。

 「命よりも大切な仕事なんてない」という考え方もありますが、使命に身を賭す覚悟を持って取り組んでいる人のほうが、同じく大成する可能性が高いように思いますし、何事においても信頼できる人のような気がします。

 「イチロー=天才」という人もいますが、それは努力の天才ということだと思います。

 その意味で、ひたむきにコツコツ努力する姿は、現代の二宮金次郎、あるいは現代の塚原卜伝というイメージも湧いてきます。

 
 イチロー選手の野球に取り組む姿勢は、ぜひ参考にしたいと思います。
 

 何はともあれ、イチロー選手には、感謝とねぎらいの言葉を贈りたいと思いますし、今後の活躍に期待したいと思います。