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2019/02/27【印パ両国の仲介役は】

 インドとパキスタンとの間の緊張が高まっています。

 インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で、インド軍機が第3次印パ戦争以来48年ぶりに停戦ラインを越えてパキスタン側を攻撃したとのことです(※)。

 インド側は、攻撃対象はテロ組織だとしています。
 

 インドは、長年、旧東西陣営どちらか一方にのみ肩入れするような外交政策を取っていませんが、カシミール地方では中国とも領有権争いを抱え、中国とは潜在的に対立関係にあります。
 

 一方のパキスタンは、米国やフランスなど旧西側との軍事的な関係を築いてきましたが、近年は、中国との軍事関係を急速に強化しています。

 これは、中国にとってパキスタンはインドを挟撃できる場所に位置し、中国は関係強化でインドを牽制できると考えているからに他なりません。

 
 印パの緊張激化でインドが疲弊すれば、南シナ海を越えてインド洋への進出を目論む中国にとって好機となります。

 南シナ海だけでなくインド洋でも中国軍の存在感が強まれば、中東から続くシーレーンを生命線とする日本も他人事ではなくなります。

 
 また、印パ両国は、核不拡散条約に加盟していない数少ない国の1つですが、いずれも事実上の核保有国です。

 ですから、印パ両国の緊張が高まるということは核戦争の危険もはらんでいると言えます。
 

 そこで印パ両国との関係が良好な日本こそ、両国の間を取り持つ役割を果たすことができます。

 日本はアジア地域のリーダー国家としての役割を積極的に果たすことを考えるべき時に来ているのではないでしょうか。

 ※:2月26日付産経新聞https://www.sankei.com/world/news/190226/wor1902260028-n1.html