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2018/12/09【介護の現場こそ宗教心の大切さが必要】

 「改正出入国管理法」が成立し、外国人労働者の受け入れ拡大への道が開かれました。

 人手不足の業界の中には歓迎の声がある一方で、様々な懸念が残る中で拙速に成立した感があるだけに、その運用に当たっては今後も議論を深めていく必要がありそうです。
 

 
 人手不足が顕著な業界に介護分野がありますが、最近、認知症の方を抱えるご家族で、介護施設を利用している人に話を伺う機会がありました。

 その方は、施設の利用を申請してもなかなか空きが出ずに苦労した経験から、外国人材の登用で少しでも希望に沿う施設利用が可能になれば嬉しいと話しておられました。
 

 また、その方は本音として、ご家族が認知症であっても、愛する肉親はできるだけ身内で介護したいとも話しておられ、施設に預ける後ろめたさに似た感情も吐露されていました。

 確かに、家族や親せきの関係が濃密だった時代は、介護施設などはそんなに無かった訳ですから、現在でも世代間同居を推奨するなどすれば、介護問題を打開する糸口の1つになり得るでしょう。
 

 ただ、その方はこうした感情を介護相談員に打ち明けても、「そんなに気にすることは無い」と諌めてくれたものの、自分を納得させることができなかったと打ち明けてくれました。

 そうした中でその方は信仰に出会い、夫婦・親子の関係や認知症など難病などについての霊的な意味を知ったことで、介護者・被介護者ともに心の安定を保ちつつ前向きに介護ができるようになったと話しておられました。

 現実問題として、介護職員が信仰についてアドバイスすることは無いので、何かの機会にたまたま信仰に出会えたその方は幸運だったといえます。

 
 人手不足の問題と共に、とかく人生観や死生観が身近に感じられる介護や看護の現場こそ、信仰の大切さがもっと見直されるべきであると改めて実感しました。