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2018/12/04【税制改革のポイントは民間活力の向上にある】

 政府・与党は、自動車税の見直しを検討しています。

 現在の自動車税は、エンジンの排気量に応じて課税していますが、電気自動車の普及などで実態にそぐわなくなっているため、走行距離に応じて課税する方向で検討しているとのことです。
 

 大容量のバッテリーを搭載する外国製の大型SUVの電気自動車と、日本の軽自動車規格の電気自動車の自動車税が、同じ「排気量1リットル以下」でくくられて同額というのは、納得がいかないという意見があるようです。
 

 
 確かに、税制は可能な限りシンプルな方が良いという考え方からすれば、一律の区分を適用することは悪いことではありません。
 

 しかし、仮に走行距離に応じて課税することになって走行距離が増えれば増えるほど支払う税金も多くなるというのであれば、自動車を使えば使うほど支払う税金が多くなるということであり、自動車を使用する度に負担感が増していきます。

 ただでさえ国内の自動車販売数が年々落ち込んでいるのに、こうした税制を適用すると、自動車離れに拍車が掛かることになりかねません。

 これは、日本の自動車産業にとってマイナスであり、基幹産業が将来的に衰退するとなると日本経済に与える影響も少なくありません。
 

 現在の自動車を取り巻く税制は複雑で、ガソリン税などは二重課税の疑いもあります。

 ですから、政府は、如何に税金を多く取るかという視点ではなく、如何に民間の活力を引き出せるかという観点で税制を見直すべきではないかと思います。

 米国の経済が好調な要因の一つにトランプ大統領による減税があります。

 経済が活況を呈すれば、増税をしたり、新たな税を設けたりしなくても、税収が増えるということを忘れてはならないと思います。