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2018/11/27【ますます高まる海自の空母保有の必要性】

 中国の国営メディアが、中国軍の3隻目となる空母を建造していることを報道しました。

 これにより、中国政府が3隻目の空母の建造を公式に認めたことになります。

 報道では詳細には触れていませんが、1・2隻目は、艦載機の運用に制限があるスキージャンプ式の発艦方法を取っているのに対し、3隻目は米海軍などと同様のカタパルト式の発艦方法を採用していると考えられています。

 就役は早くとも数年先と見られますが、1隻目は訓練用としても、中国は作戦行動が可能な複数の空母を保有することになります。

 今後、南シナ海や日本周辺で活動することが考えられますが、空母が活動するとなると日本側の監視体制も負担が大きくなります。

 中国軍の艦艇に対しては、通常は海自の護衛艦を張り付けることになりますが、空母となると常に航空機の発艦に対して警戒する必要があるため、空自の戦闘機も待機する必要が出てきます。

 しかし、尖閣諸島を含む沖縄周辺を管轄する空自の基地は沖縄本島の那覇市にしかありません。

 中国の空母が尖閣諸島周辺で活動した場合、那覇基地からの距離は約4百キロ、次に近い宮崎県の新田原基地からは1千キロ以上離れています。

 より尖閣諸島に近い下地島空港などを活用できれば話は別ですが、住民の理解が得られていないなどの理由から、現状では周辺で航空機の基地を新設することが困難な状況です。

 ですから、自衛隊による空母の保有、具体的には既存の「いずも型」護衛艦の空母への改修は必須ではないでしょうか。

 次の防衛計画の大綱の検討では、事実上の空母を意味する多用途運用母艦の保有議論が煮詰まっていませんが、現下では、自衛隊による空母の保有を先送りする安全保障環境にないことは明らかです。
 

 軽空母での運用に適したステルス戦闘機「F-35B」の導入と併せて、より小型の「ひゅうが型」護衛艦の大幅改修、更には空母の新造を含め、考えなければならないのではないでしょうか。