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2018/11/20【軍に予算を付けず米国を危険にさらした大統領とは】

 オバマ前大統領の夫人のミシェル氏が、自身の回顧録でトランプ大統領を許さないと述べています。

 同氏は、トランプ氏の過激な発言で家族が危険にさらされたとしています。

 これに対しトランプ大統領は、既にオバマ氏に対する誤った発言は撤回しているものの、米軍に十分な予算を付けなかったことで米国を危険にさらしたとするオバマ氏を、逆に許さないと反撃しています。

 トランプ大統領の不用意な発言でオバマ氏家族が危険にさらされたのであれば、ミシェル氏の気持ちは理解できない訳ではありません。

 一方で、オバマ氏が米国を危険にさらしたとするトランプ大統領の発言も理解できます。

 既に中国軍に対抗する上で、米軍の優位が失われつつあるという指摘が各方面からなされています。

 米国は、冷戦終結後、国防体制を見直してきましたが、オバマ政権下で正規軍同士の戦いから、テロとの戦いにシフトする姿勢が鮮明になりました。

 ステルス駆逐艦「ズムウォルト級」、攻撃型原子力潜水艦「シーウルフ級」、ステルス戦闘機「F-22」など、全てがオバマ政権下での決定という訳ではありませんが、用兵の変化に伴い調達数が大幅に縮小されました。

 これらは、当初想定されていた競争相手のソ連が崩壊したことで性能が過剰だとされたものです。

 米軍における次世代の正面装備の調達が縮小した一方で、中国は着々と正面装備の近代化を図ってきました。

 もしも、中国軍の急速な近代化と覇権拡大を目の当たりにして、オバマ政権で正規軍同士の戦いに資する装備の調達を進めていれば、米軍の優位性は盤石だったのではないでしょうか。

 
 防衛力が一旦弱体化すれば、例え予算を増やしたとしても、必要な水準を回復するまでには長い年月を要します。

 その間に、外国からの脅威に直面すれば、国民の安全を危険にさらすことになるので、日本も教訓とすべきと考えます。