11月
19

2018/11/19【中国が描く“列島線”の怖さ】

 パプアニューギニアで初となるAPECが開催されました。

 中国はパプアニューギニアに対し巨額の経済支援をするだけに留まらず、APECには習近平主席が一番乗りで入国するなど、中国のパプアニューギニアに対する思い入れは並々ならぬものがあります。
 

 その理由は、一帯一路構想でパプアニューギニアを取り込むとともに、豊富な天然資源が目当てと見られています。

 更に、各マスコミが伝えているのが、パプアニューギニアは中国が想定する軍事上の境界線である「第2列島線」の南の起点に当たるからというものです。
 

 ニューギニア島からマリアナ諸島、小笠原諸島を通って日本列島に至る第2列島線は、中国が米軍などに対抗するために、近い将来に防衛ラインとして機能させることを目指しているものです。

 中国には、これを機能させるために、パプアニューギニアを自らの版図に加えることが不可欠であるとの思惑があるのです。
 

 翻って考えてみると、第2列島線だけでなく「第1列島線」の北の起点は日本列島です。

 多くのマスコミは中国が独自に想定する列島線を引き合いに出します(※)が、それらの列島線を中国の思惑通りに機能させるには、日本が中国の版図に加わることが前提であることを忘れてはなりません。
 

 日本が中国の版図に加わるということは、日本の主権が脅かされるということであり、民主・自由・信仰という最も大切にしなければならない価値観が失われる可能性があるということでもあります。

 マスコミは、こうした事の重大性を認識した上で、「列島線」なるものを報道しなければならないのではないでしょうか。
 

 日本は、必要な自主防衛力を持ち、中国の軍事力を背景とした覇権拡大に与しないという姿勢を断固として貫けば、列島線という戦略は完成しないのです。

 ※:11月18日付NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20181118/k10011714841000.html