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2018/05/23【“軽減税率イージス艦6隻分”は一つの見識ではあるが】

 自民党の石破元幹事長が、来年の消費増税時に導入される軽減税率について、イージス艦6隻分に相当する約6千億円の減収になると発言し物議を醸しています(※)。

 政治がリベラル色の強い風潮の中にあっては、とかく安全保障問題が軽視されがちです。

 軽減税率には弱者救済の目的があるのかもしれませんが、先の読めない朝鮮半島情勢や、一党独裁国家である中国の軍拡を踏まえれば、社会保障に劣らず安全保障も重視すべき課題です。

 従って、軽減税率をイージス艦と対比した石破氏の発言は、一つの見識と言えます。
 

 しかし、石破氏の発言の前程として、増税により防衛費を捻出するという発想が見て取れます。

 増税には、消費を減退させ景気が失速し、結局は税収全体で減収となるリスクがつきまといますし、実際に過去の消費増税では、その後、税収全体では減収に繋がっています。
 

 
 ですから、税収増を図りたいのであれば、景気回復による自然増を目指すことが王道ではないでしょうか。

 その上で、必要ならば国防債を発行するなどして安全保障に特化した資金調達の道を探ることが肝要と考えます。

 また、弱者救済のために軽減税率を導入するくらいなら、最初から増税をすべきではありません。

 軽減税率を導入するというのは、国自ら増税には無理がると認めているようなものです。
 

 むしろ、日本は減税を目指すべきであると考えます。

 今の日本にとって減税は、効果的な景気刺激策であると同時に、最大の社会福祉策でもあるのです。

※:5月22日付産経新聞http://www.sankei.com/politics/news/180522/plt1805220050-n1.html