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2018/05/16【米軍撤退は中国の思惑と一致する】

 5月15日で沖縄の本土復帰から46年となりました。

 沖縄県内には未だに米軍専用施設が多く存在し、在沖縄米軍の縮小や撤退を求める声が少なくありません。
 

 確かに、沖縄県に全国の米軍専用施設の7割余りが存在し、沖縄県民の負担となっていることは事実ですから、負担を軽減する努力は必要です。

 しかし、地域情勢を考えれば、沖縄県に米軍を重点的に配置することは安全保障上、意味があることも事実です。
 

 中国には伝統的に、国境線はその時々の国力に応じて変化するとの考えがあります。

 実際、戦後、中国が発展途上にあって、軍隊の近代化が進まず海軍力も沿岸警備の域を出ていなかった頃は、東シナ海や南シナ海での領土的な野心は強くありませんでした。

 その後、経済発展に伴い軍事力が近代化されてくると、尖閣諸島や南沙諸島で領有権の主張を活発化させていきました。

 そして、近年では、軍拡に伴い南シナ海で力を背景にした支配を強めるとともに、中国軍の高官などが沖縄県は日本の領土ではないと言い出しました。
 

 
 そうです。中国は、太平洋進出時の玄関口に当たる南西諸島を自らの勢力圏に治める野心を持っていることが明らかなのです。

 ですから、米軍を沖縄から追い出すことは、中国の思惑と完全に一致するのです。

 米軍が存在することによる弊害があることは否定しませんが、民主国家である米軍の駐屯と、一党独裁国家である中国の支配下におかれることの、どちらがいいのかよく考える必要があります。
 

 もちろん、米軍が撤退し、中国の影響下にも入らない選択肢もありますが、その場、日本には独自で中国から国を守るための政治力と国防力が不可欠となります。

 
 しかし、日本では国防を軽視する風潮がありますが、現実が支配する国際政治の舞台では、軍事力を背景としない外交が如何に弱いかと言うことは歴史が証明しています。
 

 「自分の国は自分で守る」と言うことは国際的には主権国家として当たり前の考え方なのですが、それができないならば、在日米軍の存在は日本の生命線であることを忘れてはなりません。