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2017/11/30【迎撃が百発百中になれば北を変えられる】

 北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射し、日露の中間線から100km以上も日本側に入り込んだ日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾しました。

 これを受けて政府は、北朝鮮に対し厳重に抗議するとともに、国際社会と協力して更なる圧力の強化を図っていく姿勢を示しました。
北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射や核実験を受けて、その都度、安倍首相や菅官房長官が記者会見を行っていますが、その内容は毎回ほぼ同じように聞こえます。

 北朝鮮は今回も事前の通告無しに、日本のEEZに向けて弾道ミサイルを発射したのですから、日本の船舶や航空機の安全が危険にさらされたわけです。
にもかかわらず、事実上、政府は何もしなかったことになります。

 先に、北朝鮮が弾道ミサイルを発射して北海道上空を通過させた際、トランプ大統領は、「自国の上空をミサイルが通過しているのに、なぜ撃ち落とさないのか」、「武士の国なのに理解できない」と口にしていたと伝えられています(※)。

 だとすれば、今回、政府は弾道ミサイルを迎撃すべきだったのではないでしょうか。
迎撃によって被害が軽減できるのかどうかは別として、迎撃に成功すれば、弾道ミサイルを発射しても無駄だということを北朝鮮に諭すことができます。

 そうなれば、北朝鮮が優先的に推し進めてきた弾道ミサイルの開発事業の正当性が失われ、北朝鮮が交渉のテーブルにつくこともあり得ますし、北朝鮮内部で指導部に対する不信感が生じ、内部崩壊の序章になるかもしれません。

 現実的には、SM3を柱とする日本の既存の弾道ミサイル防衛システムは、迎撃成功が100%ではないため、万一、迎撃に失敗すれば、逆に日本の防衛体制に不信感が生じてしまいます。
こうしたことも勘案して、政府は容易には迎撃しないものと思われます。

 しかし、北朝鮮の弾道ミサイルは、基本的には既に何十年も前から核保有国の間では確立された技術です。
もし、新たに百発百中の迎撃システムを確立できれば、北朝鮮の姿勢を変えさせることも可能なわけですから、巨費を投入してでも万全な迎撃方法の研究開発を優先的に行うべきと考えます。

 今国会の最優先事項はモリカケ問題のようですが、本当に議論すべきは、こうした危機対応のはずです。

 ※:11月5日付産経新聞http://www.sankei.com/world/news/171105/wor1711050018-n1.html

【参考】:11月29日付幸福実現党プレスリリース「北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて(党声明)」https://info.hr-party.jp/press-release/2017/5616/