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2017/09/13【強い批判をしない態度が中国を勢い付かせている】

 沖縄県の尖閣諸島を政府が国有化してから5年になります。

 これに関し、沖縄県の翁長知事は、「もし尖閣でいざこざがあり、死者でも出れば、沖縄観光は一発で終わる。もう石垣に行く人はいなくなる。日本の立場を維持しつつも、平和外交で物事を解決してもらわなければ、私たちは立つ瀬がない」などと発言しています(※)。

 尖閣諸島周辺では中国の公船が領海侵入を繰り返し、石垣島などの漁業に実害が生じるなど、八重山諸島の住民などの間からも心配する声が上がっています。

 にもかかわらず翁長氏は、中国に対する強い批判はせず、日本政府の対応に厳しい注文を付けています。
報道からは今回も、なぜか中国政府を批判することは無く、むしろ「石垣島」という固有名詞を挙げて八重山諸島の住民の不安を煽っているように聞こえます。

 石垣島では、中国による現実の脅威などを背景に、政治的に翁長氏とは立場が異なる市長が就任していますし、地元新聞も左翼的な沖縄本島の地方紙とは異なり保守的な立場を取っています。

 ですから翁長氏は、中国の行動に批判的な石垣島世論に対し、「尖閣問題で騒ぐと取り返しのつかないことになるから大人しくしろ」とでも言いたいのでしょうか。

 しかし、尖閣諸島周辺での中国の公船による領海侵入は、5年間で約2百日にも及んでおり、日本による尖閣諸島の実効支配を覆す動きが常態化しています。
こうした中での翁長氏の中国政府に恭順するような態度が、中国の動きを勢い付かせているということが分からないのでしょうか。

 国土や国民を守るためには、領土問題で妥協しないという強い姿勢を示す必要があります。
ですから、領域警備法を制定するなどして、国家主権に対する侵害を排除するための必要な武器の使用を認め、海上保安庁や警察に領域警備の任務を正式に付与すことを検討するべきと考えます。

※:9月11日付朝日新聞http://www.asahi.com/articles/ASK9C5JB9K9CTPOB002.html