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2017/07/18【対艦ミサイル搭載戦闘機の南西諸島常駐を】

 政府は、航空自衛隊の「F-2」戦闘機に、新型の対艦ミサイルを導入する方針を固めたとのことです(※)。

 この新型ミサイルは、防衛庁で開発が進められていたもので、従来型の対艦ミサイルが亜音速で飛行するのに対し、新型は超音速で飛行するのが特徴です。
また、射程距離が長く、ステルス性にも配慮し、敵の電波妨害にも強く、様々なモードでの攻撃が可能とも伝えられています。

 艦艇側の防御能力が日進月歩で向上する中で、この種のミサイルは海洋国家である日本にとって必要な装備の一つです。

 特に海洋進出を拡大させている中国海軍の能力向上は目覚ましいものがあります。
例えば、対艦ミサイルの防御兵器として「CIWS」などと呼ばれる高性能機関砲を主体としたシステムがあります。海上自衛隊では、6砲身の口径20mmの機関砲が主体ですが、中国海軍の最新型は11砲身の口径30mmの機関砲と伝えられています。
CIWSは、目標を正確に捉えるセンサー類の性能が重要であり、この点では中国軍の能力は不明ですが、少なくとも物理的な火力面では自衛隊の水準を超えています。

 こうした中国軍の防御を突破するために、新型の対艦ミサイルを配備することは、抑止力を高める上で重要です。

 その上で、こうした対艦ミサイルを運用できる戦闘機をどう配備するか検討することが大切です。
現在、中国軍の海洋進出と最も多く対峙している航空自衛隊那覇基地に配備されているF-15戦闘機には対艦ミサイルの運用能力がありません。
同基地には対艦ミサイルの運用能力を有する海上自衛隊のP-3哨戒機も配備されていますが、プロペラエンジンの旅客機がベースの機体であるために、対艦攻撃任務は戦闘機に比べて制約があります。

 ですから、今後、抑止力を高めるためにF-2戦闘機を、現在の青森県三沢基地と福岡県築城基地の他に、那覇基地を含む沖縄周辺に常駐させることを検討すべきではないでしょうか。

※:7月17日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170716-OYT1T50101.html?from=ytop_top